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2022.08.04

これがフレイル?「親の老い」に突然直面…嫁として向き合い悩みながら見つけた答えとは

これがフレイル?「親の老い」に突然直面…嫁として向き合い悩みながら見つけた答えとは

■いつまでも変わらないと思い込んでいた義父の老い

私には現在80歳になる義父がいます。毎年欠かさないお墓参りや日常生活で買い物に出かけるときなどの移動は車を利用していましたが、高齢者の事故を耳にすることが多くなったことをきっかけに家族会議を開き、半ば強制的に免許を返納することに決めました。義父が75歳のときでした。

あれから5年、義父が外に出かけるときは義母が免許を持っていないため私と夫で送迎を担っていますが、私たちの家庭の事情から、両親が思い立った時にいつでもというわけにはいきませんでした。そうした状況でも、いつも実家の庭でにこやかに植木の手入れを楽しむなど、以前と変わらずに元気に過ごす様子に安心していました。しかしある日、義父の「老い」を目の当たりにする出来事が起こりました。

実家を訪れると、なんと義父の歯が折れていたのです。 さらに、次に行った時には頭に青いあざが…。義母に事情を聞くと、どうやら夜中にトイレから戻るときに転んでしまったようなのです。一度ならず二度も。その頃からでしょうか、 義父は買い物にもいかなくなり家に引きこもるようになりました。必ず行っていたお墓参りも「今日は行かない」と言うことが多くなりました。 趣味だった植木を手入れする時間も減り、1日のほとんどを居間にずっと座って韓国ドラマを見ているようになっていきました。

外出する機会が減ったことをきっかけに、足腰や歯など義父の身体の衰えが加速度を増したように感じます。また、コミュニケーションの意欲が低下したためか、口数が少なくなったことも気になり始めました。

そんなときに思い浮かんだのが、活動が低下した高齢者たちが直面している「フレイル」という言葉です。健康な状態と要介護状態の中間に位置し、コロナ禍での外出自粛も相まって、身体的機能や認知機能が一気に低下する人が増えているといいます。「こわれやすい高齢者」とも呼ばれることもあり、義父がそのフレイル状態から抜け出し健康長寿を手に入れるために、家族として何かできることはないだろうか。そう考える私の頭にふと浮かんだのが「デイサービス」です。
 

■デイサービスが解決策とはならない我が家の事情

「デイサービス」と聞いて、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
簡単に言えば、宿泊せずに自宅から通える「老人ホーム」で、私には高齢者たちの憩いの場のようなイメージがありましたが、義父に聞いてみると「老人が集まって歌を歌わせられて、うまくもない弁当食べて帰るところだろう」という印象が強いようです。

私もいずれ高齢者になりますが、そもそも人はいつから「老人」となるのでしょうか。孫が生まれたら「おばあちゃん」「おじいちゃん」と呼ばれますが、「老人」とは呼ばれたくない人も多いのではないでしょうか。自分の弱みを見せたがらないプライドの高い義父が、果たしてデイサービスに通ってくれるのだろうか…。そして、私にとっても、まるで家族の厄介を他者に押し付けていると思われないかと様々な抵抗がありました。しかし、家に閉じこもり衰えていく現状は何とかしなくてはいけない!そう悩んでいたとき、通勤途中に何度か送迎の様子を見かけたことのあるデイサービス施設の存在を思い出し、話を聞いてみることにしました。
 
 

■「リハビリ専門」のデイサービスとは?進化してる!

見学させていただいたのは、郡山市台新にある「リハビリ専門デイサービス ポエム開成」です。そこは、お年寄りたちが歌を歌ったり絵を描いたりして過ごすといった私が持っていたイメージとは全く違う場所でした。
 

施設の中はランニングマシンやトレーニングベンチやマッサージ器具など一般のトレーニングジムのような器具が並んでいました。とても明るく爽やかな雰囲気で、利用している方々は柔和な表情で楽しく体操をしていたのが印象的でした。音楽に合わせての運動は、ゆったりした曲から代表的な演歌まで様々。この日はYouTubeで氷川きよしさんの歌を見ながら手足を動かす運動もしていました。高齢の人には難しいのではないかと思う動作もありましたが、お互いの名前を呼び、励まし合いながらチャレンジする姿に感動すら覚えました。まるで気の合う仲間でのサークル活動のようにも見えたのです。利用者のみなさんから溢れる笑みは本物で、一緒に参加させてもらった私の方がデイサービスということを忘れるくらい楽しい時間を過ごすことができました。
また、施設には医療現場で加齢による痛みなどの整形疾患や脳卒中による後遺症、呼吸器や難病など幅広い障害に対応することができる理学療法士も常駐していて、運動機能を取り戻すためのリハビリもサポートしているそうです。

施設を運営する「株式会社はなひろ」の代表を務める塙啓之さんは「家族に言われて渋々参加された人でも1回くればデイサービスのイメージが変わります。デイサービスに来るのが目的ではなく、○○ができる健康な身体を作るといった目標を一緒に考えて、その目標を達成して卒業できるようにサポートさせていただいています。」と話します。まるでリハビリテーションのような目標に、私もデイサービスの利用を義父に薦めたくなりました。
(株式会社「はなひろ」を経営する塙啓之さん・芙美さん夫婦)
(株式会社「はなひろ」を経営する塙啓之さん・芙美さん夫婦)
とはいっても、すぐに利用できるわけではないようで、デイサービスを利用するためには介護保険制度による要介護認定が必要です。要介護や要支援の段階によって利用できるサービスが変わりますが、まずは住んでいる市町村役場の窓口などで要介護認定を申請し、認定を受けたあとはケアマネジャーが本人や家族の意向を聞きながらそれぞれに合ったプランを立てていくそうです。

施設の塙代表はこれからのデイサービスのあり方について「本人も家族も負担が大きくならないように、日常生活に支障が生じてからではなく予防の段階から利用して欲しいです。デイサービスが歩く習慣につながりますし、外に出ることで交流が生まれ、自分の役割を見つけるきっかけにもなります。自分が必要とされること、自分の居場所ができることは、健康で元気に生きる活力の源になるんです」と話します。

厚生労働省の調査によりますと、介護保険制度によるサービスの利用者数はこの20年で3倍以上に増加しましたが、高齢者数が単純に増加したことだけが理由ではなく、要介護状態にならないために介護予防サービスを受ける人の数も増えています。そうした中で、デイサービスは高齢者が健康長寿を実現するために無くてはならないものとして定着しているんです。

■義父をやる気にさせるきっかけ作り

さて、デイサービスの魅力は知ることができましたが、プライドの高い義父に利用を促すためにはどのようにアプローチしたらいいのでしょうか。

塙代表に話を伺うと、最初にやるべきことは「なぜ外出を嫌がるのか本人の悩みに寄り添うこと」だそう。例えば、トイレの心配があるなら、実は前立腺に問題があるのかもしれないということ。少し歩いただけで疲れてしまうということなら、杖などの補助用具の使用や筋力を付ける運動を提案するなど些細な心配事にも寄り添うことで、やる気を起こさせるきっかけになり得るとのこと。そして、一番大事なのは「最初に嫌な経験をさせない」こと。「デイサービス利用を誘うときの声掛けも、不快な思いをさせないように、利用者さんの心に寄り添って欲しい」と塙代表は話します。

人は年を取るごとに体は必ず衰えていくものです。けれど、いままで簡単に出来ていたことが出来なくなったと認めるのは難しく、「いざとなれば動ける」「やる気があれば何でもできる」と思ってしまいがちではないでしょうか。しかしそれでは何も対策をしないままいつの間にか体は衰えていくばかり。施設の塙代表は「まずは自分の衰えを自分で知ること、そして、知った上で自分から行動をして欲しい」と話します。

 

■チャンスの父の日

今回のデイサービス施設での見学を受けて、義父に自分の衰えを自分で知ってもらうことから始めようと思い、まずは健康長寿のための運動を勧めてみることにしました。父の日にちなんで、私たち夫婦から「いつまでも元気で長生きして欲しい」という思いを伝え、息子である夫がコーチとなり、両親を相手にちょっとした運動をレッスンするという試みです。義父は昔から亭主関白で義母の言うことに聞く耳を持たないので、息子からであれば嫌な思いをせずにチャレンジしてくれるかなと思ったからです。

まずは3秒で出来るタオルを上げ下げするだけの軽い運動を促してみせました。実はデイサービスに見学に行ったときに、「座ってできる肩の上げ下げ運動」や「布団の上でやる股関節の運動」など健康長寿のための様々な運動方法をしっかりと教えてもらっていたんです。

しかし、義父からは「やらない」の一言。それ以上に話は進むことはなく、そのまま居間で横になってしまいました。そうなることは想定内でしたが、意外なことにそばにいた義母が「私は出来るわよ」とアピールしてくれたのです。このアプローチをきっかけに義母が「毎日、お父さんの前でやっていこう」ということになりました。小さいながらも一歩前進したのかなと思います。
 
本来なら義父にすぐに行動を起こして欲しいというもどかしさはありますが、頑固な性格も考慮して強くは言わず、私たち夫婦で「せめて、座ってでもいいから万歳だけでもしてみて」と声掛けをしていこうと思います。また、嫁としての立場から穏やかに困りごとを聞いて、出来る手助けをしていこうと思います。

そして、いつか実家の近くのデイサービスの見学に誘おうと思っていますが、義父が陥っている「フレイル状態」からどう抜け出すべきか、大事なのは義父自ら何か一つでもアクションを起こしてもらえるようサポートすることだと思います。とにかく、お互い笑って暮らして行けるように家族で寄り添っていければと思います。


取材協力:株式会社はなひろ
執筆者:株式会社ケイリーパートナーズ 橋本利枝

※この記事はケイリーパートナーズと福島中央テレビの共同連携企画です。
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