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2022.05.12

「子どもが産まれたら夢をあきらめないといけないの?」いま問われる夫婦の姿~診療所を営む夫婦への取材から見えたこと~

「子どもが産まれたら夢をあきらめないといけないの?」いま問われる夫婦の姿~診療所を営む夫婦への取材から見えたこと~
子どもが産まれると、いままで住んでいた同じ町、同じ職場、同じ家庭でも“環境”はガラリと変わります。夫婦でいつも気軽に食事をしていた場所でも、実は子どもが安心して食べられるテーブルセットやメニューがなかったり、いままでフルタイムで働くことが当たり前だった職場で、子どもの都合に合わせて時短勤務の制度がなかったり。

子育て世代の女性が“働くこと”について、みなさんはどう思いますか?
この記事では、一人のワーキングママとして、私の体験を踏まえ取材したことお伝えできればと思います。
【執筆者 栁沼絵美さん(福島県郡山市在住)】
1983年生まれ。未就学児から小学生まで3人子どもの子育て中。第2子出産をきっかけに、正社員で働いていた会社を退職。その後、専業主婦として過ごし第3子を出産。現在は株式会社ケイリーパートナーズに入社し、子どもが幼稚園、学校に通う時間を有効活用しながら勤務している。
 

■一番悩んだのは“夫婦のすれ違い”をどう解消するか

「子どもを産んでもチャレンジや自己成長は続けていきたい」という思いから、私は子育てをしながら仕事を続けたいと考えていました。しかし、そこで直面したのは子育てと仕事を両立しようとすると夫婦の間で様々なすれ違いや意見の食い違いが生まれたことです。夫は子育てにも私が働くことにも協力的でしたが、それでも夫婦で様々な悩みを乗り越える必要がありました。

子どもを産んだあとも「仕事もがんばりたい」という私の思いとは異なり、早朝から夜遅くまで勤務のある夫の考えは「仕事よりも子どもといる時間を持つことを優先して欲しい」というものでした。夫は、家族を養うための仕事に多くの時間を使う分、母親である私には家で子どもたちと過ごす時間をたくさん持って欲しかったのだと思います。

そのすれ違いを解消しないまま育児休暇が明けて職場復帰をした私…正直、なかなか上手くはいきませんでした。
 

■子どもの体調不良“職場に申し訳ない”

子どもの保育園への登園が始まると「こんなにも体調を崩すのか」と驚くほど職場に体調不良の連絡がきました。復帰早々に職場のみんなに申し訳ないという気持ちでいっぱいになりながら早退や欠勤が続き、子どもにも無理をさせているのではないだろうか…・

子育ても仕事もがんばろうとすればするほど自分の思いだけが空回りするようで、子どもの寝顔を見ながら、子育ても仕事も中途半端になってしまっているのではないかと悩む毎日でした。私の考えに協力的だった夫からも「無理しているなら仕事をやめてもいいのではないか?」と言われ、子どもが小さいうちは仕事をしない方が家族のためになるのではないかと自信も失っていきました。
 

■30代ワーキングママの悩み2位「仕事と子育て」

こういった悩みは私だけが直面している問題ではないんです。
福島中央テレビが働く女性を対象に行ったアンケート調査で、働く上での悩みについての設問で30代・40代ともに2位にあがったのが「仕事と子育ての両立」でした。
仕事と子育てを両立するために、夫婦がどう協力し合うべきなのか?今回、開業医となりクリニックを営むある夫婦を取材しました。
 

■ポイントは“甘え上手”になること

郡山市で「じんキッズクリニック」を営む酒井多喜夫さん、信子さんご夫婦。4人の子どもたちを育てながら、日々、多くの患者さんたちの病気と向き合う、いわば“激務”の現場で働いています。
 

「1日のスタートから家事も子育ても分担しているんです」と話す酒井夫婦。
毎朝6時に起床し、ママの信子さんはお弁当作り、パパの多喜夫さんは洗濯やゴミ出しを担当。朝食を終えて身支度が整うと多喜夫さんが子どもたちを学校へ送迎し、その間にママは出勤の準備を進め、午前8時半からクリニックでの勤務が始まります。

多喜夫さんは院長として約40人の病院スタッフをまとめながら自らは泌尿器科・内科を担当し、最先端の透析設備を使って患者さんの病状に合わせた治療に当たります。信子さんは副院長として小児科を担当し、子どもの病気はもちろん、親たちの子育ての相談にも耳を傾けています。

医師の仕事は時間との勝負でもあります。
患者さんたちの待ち時間を気にしながらも、一人一人の病状や治療状況と向き合い、的確な診断を続けなければなりません。そうした中で夫婦がクリニック内で顔を合わせても、家庭のことは話しづらいかもしれません。家事や子育てを分担しているとはいえ、患者さんたちと向き合う時間に追われてお互いの悩み事や抱えている問題を知らないままでは、いずれ“すれ違い”が起こり夫婦仲にも問題が起きるのではないでしょうか?
そうした疑問を持った私は、信子さんに「忙しい中でどのように夫婦の会話をしているのですか?」と訊ねました。
<酒井信子さんインタビュー>
「甘え上手になることがポイントです。『自分では大変でできそうにない』ということを夫にお願いしてみるんです。そのときに“何でやってくれないの?”とイライラして言うのではなく、“やってくれたら嬉しいなぁ”と甘えるのが私は上手なんです。」

その“甘え上手”になるために、日頃から夫婦でたくさん会話をしているそうです。病院経営という忙しい中でも、出勤前や休憩時間などちょっとした時間でのコミュニケーションを大切にすることで、お互いを尊重し合う姿勢が生まれ、忙しい時こそ思いやる、助け合う気持ちになると言います。

<酒井信子さんインタビュー>
「子どもたちのこと、学校のこと、部活のこと、仕事のことなどたくさん話をします。普段から会話が多いことで、お互いの価値観を共有できているので、例え意見が違うときも歩み寄りができるんです。」

さて、酒井夫婦が忙しい病院勤務を終えて帰宅するのは午後7時過ぎ。早く帰った方が夕食の準備をするとのことですが、役割を分担しながらも「何かできることある?」とお互いで声掛けをしていると言います。そして、やってくれたことに対して「ありがとう!助かった!」と感謝の気持ちを伝え合い、その感謝の言葉が「自分ももう少し頑張ろうかな」という力になっているんだそうです。
 

■「ママ、仕事辞めてもいいかな?」

お互いを支え合う酒井夫婦ですが、いつも順風満帆という訳ではありませんでした。
「子どものころから医師になることが夢だったんです」と話す信子さん。妊娠出産後に育児休暇を取り仕事に復帰したものの、子どもたちとの時間をもっと取りたいと悩み「ママ、仕事辞めてもいいかな?」と聞いたことがあるそうです。すると子どもたちから「お手伝いするから辞めないで欲しい。私も大きくなったらママみたいになるから」と言われたそう。その言葉がきっかけで辞めることを思い留まったそうです。

<酒井信子さんインタビュー>
「子育ては自分の思うようにならず本当に大変ですよね。でも、子どもがいるから頑張れるし楽しいことも沢山あります。そして、そういう時間を過ごせるのは主人のおかげです。子育てにおいて一番大切なのはパートーナーへの感謝と協力、歩み寄りだと思ってます」

また、信子さんは子どもたちに向けて、パパがクリニックの大黒柱として頑張っていることや忙しい中でも家族を支えていることを「パパはすごいんだよ!」と伝えているそうです。そんなパパの多喜夫さんはというと…

「仕事をする妻が輝いているので、その姿を見るのが好き」と優しい目で話すのが印象的でした。

■「子どもたちはみんなの宝もの」これから求められる子育ての環境とは?

今回の取材では「仕事と子育てをどう両立させればいいか?」をテーマに酒井夫婦に取材させていただきましたが、その中で“ある大切なこと”に気づきました。それは、何のために仕事と子育てを両立させるかという視点です。もちろん、自己実現のためでもあり家族のためでもあるのですが、信子さんはこんなことを話してくれました。

<酒井信子さんインタビュー>
「パパやママが子どもたちにキラキラしている姿を見せてあげられたら、きっと子どもたちも『大人になるってなんかいいかも?楽しいかも!』と思ってくれるのかなと。」

「私も大きくなったらママみたいになるから」とお子さんがおっしゃったように、子どもたちは親の背中をしっかり見ている。将来、成長した子どもたちが同じ悩みに直面したときに、きっとそれを乗り越える力にもなると感じました。

そして、信子さんは「子どもたちが小さい時にどれだけ関われたかは“時間”ではなく“濃さ”だと思います。そのために必要なのはいろいろな人の手助けなんです。」とも話してくれました。無理に頑張り過ぎるよりも、大変なときは地域の人や友人など周りに協力をお願いするそうです。逆に、友人が大変なときにはお子さんを預かったりしながら子育てしているそうです。夫婦や家族だけで頑張るのではなく周りの協力も得ることで、仕事も子育ても充実していくのだと感じました。

<酒井信子さんインタビュー>
「困ったときにはいつでも助け合えるように、日本の地域の環境が、もっともっとみんなで子どもたちを育てるようになったらいいなと感じています。子どもたちはみんなの宝ものです。パパもママも自分のことも大切にしながら、みんなで助け合いながら子育てしていける。そんな環境で子育てが楽しいと思えれば、もっと子どもを育ててみようかな?と思えるのではないでしょうか。」
 

■家庭の事情が異なっても共有するのは感謝の気持ち

お互いに仕事をして忙しい毎日を過ごしていると、ついつい「それくらいやって当たり前」と思ってしまいがちですが、相手への感謝を忘れず思いやることがパートナーとの関係を育むために大切だと改めて感じました。

取材後、早速私も夫への言葉にしていなかった感謝の気持ちを「ありがとう」で伝えるように意識してみました。すると、夫からも「ありがとう」と言葉をかけてくれるようになったんです!「何でやってくれないの?」という不満より、「やれることをやろうかな」と協力して家のことができるようになってきたように感じます。

また、信子さんの「子どもたちはみんなの宝もの」という言葉が胸の奥まで響いています。
子育てが家庭内だけで完結するのではなく、地域とのさまざまな関係性の中でも育まれることで、たくさんの人達から愛情をもらったり、助け合う気持ちが生まれたりと、子どもも親も成長の幅を広げていけるのではないかと思いました。そして、仕事と子育てを両立するための選択肢も増え、働く女性にとってもより良い環境ができたらいいなと強く願っています。

子育てと仕事の両立。家庭によってそれぞれの環境や事情も異なりますが、この記事を通して「私でもココは取り入れられそう」というポイントや「自分だったらこうしたらいいのかも」というヒントなど笑顔が増える気づきがあったら嬉しいです。

※福島中央テレビでは、テレビ番組やイベント、web サイトで福島県内で活躍する働く女性の姿や声を発信する女性活躍推進を目指すキャンペーン【MyLife〜はたらくで、かがやく〜】を展開中です。
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※この記事はケイリーパートナーズと福島中央テレビの共同連携企画です。
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