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Chu! PRESS

2022.02.05

いなかといいなかツアー 「え?」が「お!」になる福島・入旅人

いなかといいなかツアー 「え?」が「お!」になる福島・入旅人
■畑の中から歓声!?いったい何をしているの?

「うわあー、うわっ!」
ブオーン、ドドドッー。畑の中をおぼつかない様子で、ミニ耕運機を操作する若い女性。暴れ馬ならぬ、暴れ耕運機に悪戦苦闘。でも、何だか楽しそう。

「むずかしかった。女性はたいへんですねー」
そう笑顔で答えるのは、遠藤瑠乃さん。

実はこれ、都市と農村の「関係人口づくり」を目的に企画された、ツアーの1コマ。その名も「いなかといいなか交流ツアー」。いったい、どんなツアーなのか、1泊2日のツアーを体感してみた。


■「農村関係人口」って知っていますか?

「関係人口」とは、移住とも観光とも違う、地域との関わり方のこと。
「農村を訪れて行事に参加したり、半分その地域の住民のように関わる」。そんな人たちを「農村関係人口」という。

この「いなかといいなか交流ツアー」は、農村の魅力を知ってもらい「農村関係人口」として新たな関わり方をつくれないか…そんな狙いから、福島県が主催したもの。

■ツアーの舞台は福島県・入旅人。自然と共生し、新たな創造がうまれる農村。

福島県いわき市田人町・入旅人(いりたびうと)。
東京から常磐自動車道の勿来(なこそ)ICまで2時間。そこから国道289号に入って20分あまりで、小さな集落・入旅人に着く。山あいにある40世帯110人ほどが暮らす農村。

いま、ここ入旅人が、自然と共生し、新たな創造がうまれる農村として、静かな注目を集めているのだ。ツアーの受け入れ先に、入旅人が選ばれた理由は、ここにある。


■参加者は20代から50代まで幅広い年齢層 全員が農業未経験

「興味があったんで」と話すのは、村田大輝さん。
農業に関わるのは初めて、といいながら、農家さながらに、ミニ耕運機で畑を耕していく。
参加者は11人。全員が都市部からの参加。もちろん、農業は未経験だ。

「畑を耕したら、キクイモを植えまーす」
参加者に語りかけるのは、入旅人の地域振興に取り組む会社 株式会社旅人の代表、緑川純一さん。

え、キクイモってなに?
キクイモ(菊芋)とは、キク科ヒマワリ属の多年草。根の部分が食べられる植物。イヌリンという、血糖値の上昇を抑える成分が含まれている。いま健康野菜として、ちょっとしたブームにも。

入旅人では、乾燥させて味噌汁の具に入れたりして、食べるという。


耕した畑に、キクイモの種芋を植えていく。均等に植えるというよりは、種芋を軽く投げて、畑に置いていくような感じ。

「キクイモは横に伸びるので、そんな植え方の方がいいんだよね」と緑川さん。
育つと1.5メートルほどになるのだとか。収穫は秋から冬にかけて。日持ちさせるために、必要な時だけ、掘り起こすそうだ。

■山の木を育て活かす 入旅人の産業 林業の現場にいく

「グガガガガガーッ、グーグーグーグー」
一面、杉の木で囲まれた山の中。巨大な機械が木の枝を切り落とし、裁断していく。入旅人は、古くから林業が盛んな土地だ。山に木を植えて育て、木材を出荷する。

「木を植えて、切るまでに50年から70年。親が植えた木を、子供が切って売る。それくらい時間がかかるんです」と、林業会社を経営する豊田新一さん。

「ブイーン、ブイン、ブイン、ブブブブブ」
樹齢70年、高さ30メートル、直径80センチメートルもある大木を切り倒す作業を実演。


「バリバリバリ、ズドーン!!」
倒れた木が地面に当たると同時に、鈍く重い音。体が、ズンっと張る。その迫力に、圧倒された。自然と共生する、入旅人の知られざる一面だ。

■小学校の廃校舎に自動運転の電気自動車!? ミライを創造する農村
 入旅人は、自然と共生するだけの農村ではない。次に向かったのは、小学校の廃校舎。

「未来の車をつくっているんです」
東京の自動車メーカー、株式会社タジマモーターコーポレーションの川村友之さん。

廃校舎を譲り受け、電気自動車の研究開発拠点として使用している。もと校舎の前にあるのは、自動運転も可能な電気自動車。特別に試乗させてもらえた。

「すごいですね!静かで、びっくり!」と、野澤一成さん。

人口減少や高齢化を見据えて、地域を低速で循環する交通手段としての実証などに、取り組みたいそう。入旅人は、新たなミライを創造する農村でもあるのだ。


■ナイトミーティング コロナ禍のなかで黙食もオドロキと笑顔は絶えず

 ツアー1日目の締めくくりは、宿でのナイトミーティング。コロナ感染予防のため、お酒抜きの時短で黙食に。

「みなさーん!これね、キクイモのキンピラ」と、緑川さん。
小鉢に盛られているのが、えっ!おお、これが、あのキクイモ!

みなさんに、キクイモのキンピラを、食べてもらいたい!宿にお願いして、特別に料理に加えてもらったそうだ。そんな地域の人たちの優しさに、心がほっこり。

お味はいかが?

「おいしいです!」と、馬場菜里さん。
ご飯を何杯でも食べられそうな味付けがgood!

「うめー」
皿に盛られた天ぷらを食べる、佐々木我賀総さん。

この天ぷらもキクイモ。味や触感はレンコンに似ている。
 お酒はなくても、お腹も心も満たされて、ナイトミーティングは終了。あすは、どんな体験があるのか楽しみ!


■午前中で完売になる新鮮野菜 集落運営の直売所で買い物

「うわー、安いね」「これ、買っちゃおう!」
ツアー2日目の朝。宿から、5分ほど歩いたところにある直売所「旅人やさい館289」へ。

集落のおばあちゃんたちが、自家消費で栽培した野菜が食べきれず、畑で腐らせていた。少しでもお小遣いにできないか。そんなきっかけでつくった集落直営の店だ。新鮮な野菜は、午前中に完売することも。

■ちょこっと薪割りの体験も

「じゃ、薪割りやってみたい人いるかなー?」
緑川さんが声をかける。手をあげたのは佐々木智彦さん。アームレスリングの選手でもあるという。
軽々と斧を手にして…。
「パン!」
薪は一瞬で真っ二つに。周りからも「おおー」の声が。

■100年続く伝統工芸 日本に2人しかいないという船箪笥職人がいる入旅人

「船箪笥(ふなだんす)はね、江戸時代の商人の船旅で使われた金庫だったんですよ」
つぎに向かったのは、たんす工房。
二代目の職人・赤津隆さんは、江戸時代から100年続く「時代たんす」という、和だんすづくりの技を受け継ぎながら、主に地元産の木材を活かした家具の製造や修理を営む。

「楽しいことじゃないと続かないよ。一度しかない人生だからね」
赤津さんの箪笥づくりに賭ける熱量、しっかりとシェアされた様子。


■こねて、こねて、またこねて ツアーの締めくくりはそば打ち体験!

「いったい、いつまでこねたらいいんですか?」
「夕方まで!」どっと笑いがでる。

ツアーの締めくくりは、そば打ち体験!地元産のそば粉100%を使って、つなぎ無しの10割そばづくりに挑戦。全員、そば打ちははじめて。いったい、どんなことになるのやら。


「楕円形になるように、薄くのばしてね」と緑川さん。
そうはいっても、うまくのばせない。しまいには、しわができてしまったグループも。

「な、なんとか…」
軽快な音が響かせながら、そばを切っていく、松本恵佑さん。

太かったり、細かったり。できあがったそばは、いろいろ。でも、大丈夫!そんな苦労をしながら打った、そばだからこそ、おいしいはず。

完成!どうですか。ちょっと、そば屋さんのざるそばの雰囲気が、出ていませんか?
こねたり、のばしたりと、1時間あまり。お腹もぺこぺこ。いただきまーす!

「おいしい!」
一言をもらしたあと、黙々と食べるみなさん。おいしくて、おしゃべりするのも、忘れてしまうほど。
参加者一同、満腹・満足、ごちそうさまでした!


■また来てね!の気持ちがこもったキクイモ 花を咲かせSNSにアップ 

楽しかったツアーも、これでおしまい。最後に、緑川さんから参加者へプレゼント。手渡されたのは、キクイモの栽培キットだ。

「畑だと、背丈ほどの高さになるんだけど、育ててみてください」
花が咲いたらみんなでSNSにアップして、参加者と入旅人の人たちで、成長を見守るという企画。どんな花が咲くのか楽しみ。

「これをきっかけに、地元の人たちとつながって、また遊びに来てくださいね」
と、主催者の福島県農村振興課の平野晃史さん。参加者にしっかりとアピールすることも忘れない。

1回来ただけで、終わらない。
また来るね、また来てね、の関係を築いていくのが、このツアーの一番のねらいだ。

「え?」が「お!」になる発見と感動が詰まった、農村での2日間。
入旅人や、そこで暮らす緑川さんたちの魅力を感じてもらえたのではないだろうか。
みなさんも、いなかといいなかになってみませんか?

Chu!PRESS編集部 地域創生担当 山中利之
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