アナウンスルーム

アナウンサーブログ

徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Showa Village 2-3
 「道の駅 からむし織(おり)の里しょうわ」にお邪魔して、“面白い方”だという駅長さんを呼んでもらおうとすると、
「出張で今日はいないんです。」
 あら残念。ただ村民お勧めの羊羹を取材したい旨話をすると、
国道400号沿いにある、「道の駅 からむし織の里しょうわ」。
国道400号沿いにある、「道の駅 からむし織の里しょうわ」。
駅長は出張中! む、無念。
駅長は出張中! む、無念。
「こちらです。」
とご紹介頂きました。あれ、1種類ではないのでしょうか?
村で作った羊羹は健在。
村で作った羊羹は健在。
あら、幾つか種類がある?
あら、幾つか種類がある?
「村民が話していた羊羹は『甚パ羊羹(じんぱようかん)』で、隣はやはり地元の方が作った羊羹です。」
 見ると、からむしを練り込んだ羊羹もあります。
 「からむし」とは麻に似た繊維が採れる植物で、通気性や吸湿性がよく肌触りが良い事から値が張る繊維で、からむしを栽培しているのは本州では昭和村だけです。
無人販売の女性が勧めていたのは、こちらの「甚パ羊羹」。
無人販売の女性が勧めていたのは、こちらの「甚パ羊羹」。
隣には村特産の「からむし」を使った羊羹も!
隣には村特産の「からむし」を使った羊羹も!
「この羊羹には、からむしの葉を練り込んでいます。」
 なるほど、繊維にするのはからむしの茎の部分、からむし織には使われない葉を有効活用した羊羹という訳です。
「しかもからむしは、栄養価が高いと言われているんです。」
その名もストレートに、「からむしようかん」。
その名もストレートに、「からむしようかん」。
葉を練り込んだそう。織物で使うのは茎の方。
葉を練り込んだそう。織物で使うのは茎の方。
 からむしには、カルシウムやβカロテン・ビタミンB2等が多いのだそうです。
 昭和村では、羊羹のほかにラーメン、お茶、うどんにも、からむしを使った商品が販売されています。
からむしは栄養価が高いらしく、うどんや
からむしは栄養価が高いらしく、うどんや
ラーメン・お茶など、からむしを使った飲食できる加工品も売られている。
ラーメン・お茶など、からむしを使った飲食できる加工品も売られている。
 折角なので、からむしようかんを頂きます。見た目には葉を砕いたものでしょうか、粒粒のようなものが見えます。
 食べてみるとみっちり系の食感の羊羹で、葉の青臭い感じは全くしません。また食感は滑らかで、葉が舌触りに変化をもたらす事もありません。若い人の言葉で言うと「普通に美味しい」羊羹です。
からむしようかんは、1人用のサイズで販売されていた。
からむしようかんは、1人用のサイズで販売されていた。
断面を見ると、中心部の方が小豆の割合が高そう。
断面を見ると、中心部の方が小豆の割合が高そう。
 一方の、昔からあるという「甚パ羊羹」は、御自宅で作っているという事で、早速向かう事にします。

 作っているのはこちらの男性です。
 ただ家にお邪魔すると、玄関入ってすぐの所に価格表が。
農家にお勧めされた羊羹の製造元へ。
農家にお勧めされた羊羹の製造元へ。
羊羹を作っているのは、こちらの男性。
羊羹を作っているのは、こちらの男性。
「村の人が直接買いに来る事もあるので、それ用です。」
 ご主人は、羊羹の作り手としては四代目。この羊羹を作り始めたのは、明治時代にまで遡るそう。商品名は、作った甚八さんの名前から。その後20年余り前まで甚パ羊羹を作っていた女性が別の市町村に引っ越す事になり、
「この味が無くなるのは勿体ないなと思って、その女性から道具を譲り受けて、作り方を教えてもらったの。」
玄関を入ると価格表が。ご近所さんが買いに来た時用だと言う。
玄関を入ると価格表が。ご近所さんが買いに来た時用だと言う。
こちらで四代目になるそう。初代から、親族間で継がれてきた。
こちらで四代目になるそう。初代から、親族間で継がれてきた。
 60歳を過ぎて羊羹作りを始めたものの、三代目が引っ越してしまった為、最初は週に一度、作っては引っ越し先の三代目の所に持って行ってアドバイスをもらっていたのだとか。
「もうちょっと甘くした方が良いんじゃないの、とか教えてもらいました。あと季節によっても熱を通す時間が違ってくるから…。」
第二の人生で、羊羹づくりを始めた。
第二の人生で、羊羹づくりを始めた。
羊羹を作る作業場を見せて頂く。
羊羹を作る作業場を見せて頂く。
 ただ小豆、砂糖、棒寒天といった材料や作り方は今でもそのまま。
「硬くならないように注意をしています。」
小豆を絞る機械や、
小豆を絞る機械や、
羊羹を流し込む型が。年季が入っている。
羊羹を流し込む型が。年季が入っている。
 実際に頂いてみると、食感はみっちりタイプというより、水ようかんにやや近い柔らかさを持った羊羹で、ちょっと軽い感じの味わいが後を引きます。
「今も米を作っているから、羊羹は週末に一度作る位だね。」
 作った羊羹は、奥様と2人で包装します。羊羹を切る際に出る「切り落とし」の部分で必ず味見をします。
「今は大丈夫だけど、昔は甘みや食感が納得いかないと、全部自分で食べたの。」
これが2本入ったものが、道の駅で売られている。
これが2本入ったものが、道の駅で売られている。
四代目自ら切ってくださった。
四代目自ら切ってくださった。
 自らが覚えた味わいでないと、商品としては販売しなかったと言います。自分に厳しかったからこその、昔ながらの味が守られています。
 その羊羹の入った箱には、羊羹の歴史が書かれたピンクの紙が入っていて、平成2(1990)年に作られた『昭和音頭』が印刷されています。北島三郎さんが歌ったようです。
「これ作詞したのが、先代の女性。」
 えええ! 詞を読むと、三代目はなかなかに歌心もある方のようです。
自分で合格点を出せないものは、売らなかった。
自分で合格点を出せないものは、売らなかった。
中に入った商品説明書きには、裏に先代が作詞した「昭和音頭」の歌詞が。
中に入った商品説明書きには、裏に先代が作詞した「昭和音頭」の歌詞が。
 現在83歳(四代目だそう)、後継者はいるのか尋ねると
「いや、まだいないです。(自分の)子どもが継ぐんだかどうか…。」
 いやいや、出来ればお子さんかどなたかに継いでもらって、是非昔ながらの昭和村名物の甚パ羊羹を残してください。(つづく)
後継者はまだ決まっていないと言う。
後継者はまだ決まっていないと言う。
作業場の前で。「大黒屋菓子店」の屋号を持つが、店舗は構えていない。
作業場の前で。「大黒屋菓子店」の屋号を持つが、店舗は構えていない。
 今回、道の駅の駅長さんと、「からむしようかん」を作っている方にお会いできず、4年前の1巡目の旅のスタート地点に戻ってみる事に。すると…

その4「よいやれや(寄ってくださいな) 村民による元気なチャレンジショップ」はこちらをクリック。
4年前、1巡目の旅の出発点の喰丸小に。
4年前、1巡目の旅の出発点の喰丸小に。
あれ?お店がある??
あれ?お店がある??
全文を読む
コメントを投稿してよろしいですか?
利用規約

中テレ会員サービス(以下「本サービス」)は、株式会社福島中央テレビ(以下「当社」)が提供する、ホームページ、各種ネットサービスを対象とします。
ユーザーは本規約の内容をよくご確認頂いた上で、本サービスをご利用ください。
当社は、ユーザーが本サービスをご利用されることにより本規約の内容を承諾したものとみなし、以後ユーザーと当社との間にて本規約が適用されるものとします。

1.    本サービスのご利用にあたって
本サービスへの登録は無料で行えますが、ユーザーの端末機からのアクセス、メッセージなどの受信に必要な通信費はユーザー自身の負担となる他、一部コンテンツは有料でご利用いただくものになります。ユーザーが本サービスの利用に際して行った一切の行為、その結果および当該行為によって被った損害について、当社は何等の責任も負わないものとします。

2.    個人情報の取り扱いについて
ユーザー情報は、当社からのサービス提供または利用者のサービス向上を図るための資料(個人が特定されない統計資料)等、当社の正当な業務遂行上必要な範囲に限定して利用し、その範囲を超えた個人情報の取扱い(目的外利用)を行いません。ユーザー情報自体の取り扱いについては、別途当社が定める「個人情報保護基本方針」に従い、適切に扱います。

3.アカウントの管理について
ユーザーは、本サービスのログインパスワード等の会員アカウント情報について、自己の責任において管理及び保管するものとし、第三者に開示あるいは貸与、譲渡、売買等をしてはならないものとします。アカウントの管理不十分または第三者の使用等によりユーザーに損害が生じた場合、その責任は故意・過失の有無にかかわらずユーザーが負うものとし、当社は一切その責任を負いません。

4.登録の変更・退会について
ユーザーは、登録情報に変更が生じた場合や、退会を希望する場合、当社が指定する所定の方法によって登録情報を変更または退会の手続きを行うことができます。

5.未成年による利用について
未成年者のユーザーは、本サービスの利用の一切につき、親権者等の法定代理人の同意のもと利用しなければなりません。未成年者のユーザーが、法定代理人の同意がないにもかかわらず同意があると偽り、または年齢について成年と偽って本サービスを使用した場合、その他行為能力者であることを信じさせるための詐術を用いた場合、本サービスに関する一切の法律行為を取り消すことはできません。本規約の同意時に未成年であったユーザーが成年に達した後に本サービスを利用した場合、当社は、当該ユーザーが本サービスに関する一切の法律行為を追認したものとみなします。

6.知的財産権について
本サービスに関する一切の特許権、実用新案権、意匠権、著作権、商標権等の知的財産権(それらの権利を取得し、またはそれらの権利につき登録等を出願する権利を含みます。以下「知的財産権」)は全て当社または当該権利を有する第三者に帰属します。ユーザーは、本サービスを利用するにあたって、一切の権利を取得することはないものとし、当社は、ユーザーに対し、本サービスに関する知的財産権について、本サービスを本規約に従ってユーザーの端末機においてのみ使用できる譲渡不能の権利として許諾するものです。したがって、ユーザーは個人で楽しむ目的(著作権法第30条第1項の範囲での私的使用)でのみ本サービスを利用できます。また、ユーザーは本サービスについて当社から提供された状態でのみ利用するものとし、本サービスに関する情報の全部または一部を、当社の了解を得ずに、複製、改変、貸与、配布等により転用してはなりません。

7.ユーザーによる情報の提供やアップロードについて
ユーザーは、本サービスの利用にあたってアップロードする文章、画像、動画、音声、音楽その他の情報(以下総称して「ユーザーコンテンツ」)について、その行為における適法な権利を有していること、及びユーザーコンテンツが第三者の知的財産権、所有権その他の権利を侵害していないことについて、当社に対し表明し、保証するものとします。ユーザーコンテンツに関する著作権は、当該投稿等を行ったユーザー自身に留保されるものとし、事前に著作権譲渡について当社がユーザーから許諾または同意を得たものを除き、当社は当該ユーザーコンテンツに関する著作権を取得することはありません。ただし、当社は、本サービスの提供、維持、改善またはプロモーション等に必要な範囲において、ユーザーコンテンツを複製、翻案、自動公衆送信などを、無償、無期限かつ地域非限定で行うことができるものとします。ユーザーは、当社及び当社から権利を承継または許諾された物に対し、著作者人格権を行使しないものとします。

8.禁止行為について
ユーザーは、本規約の他の条項に定めるものの他、本サービスの利用にあたって、以下の行為またはそのおそれのある行為を行ってはならないものとします。
(1)他のユーザー、当社または第三者に不利益または損害を与える行為
(2)公序良俗に反する行為
(3)法令に違反する行為
(4)当社の書面による事前の承認を得ずに、本サービスに関連して営利を追求する行為
(5)当社による本サービスの運営を妨害する行為
(6)本サービスの信用を失墜、毀損させる行為
(7)当社の承認した以外の方法で本サービスを利用する行為
(8)本サービスを譲渡、貸与、公衆送信、使用許諾する行為
(9)本サービスを複製、翻案、編集、改変する行為
(10)コンピュータウイルス等を本サービスで利用し使用をしたり、第三者に提供したりする行為、あるいはそのおそれのある行為
(11)その他、当社が不適切と判断する行為 

9.免責事項について
当社は、本サービスに関する情報およびデータの正常性、信頼性、正確性を保証するものではありません。本サービスにかかる情報によりユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、その損害についていかなる責任も負いません。また、当社は、本サービスの利用に起因するソフトウェア、ハードウェア上の事故、ユーザー間またはユーザーと第三者の間において生じたトラブル、その他の事故等による全ての損害についても、いかなる責任も負いません。

10.損害賠償について
本規約に違反して権利侵害等の問題が発生した場合、ユーザーは、自己の負担と責任においてかかる問題を解決するとともに、当社に何等の迷惑または損害を与えないものとし、仮に当社に損害を与えたときは、当社に対して当該損害の全てを賠償していただきます。

11.当社による本サービスの提供中止について
当社は、ユーザーが本規約に違反した場合、当該ユーザーに対してあらかじめ通知することなく、本サービスの全部または一部の内容の提供を中止することができるものとします。当該中止についてユーザーに損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

12.本サービスの変更・一時中断・廃止について
当社は、本サービスの内容を必要に応じて変更することがあります。また、メンテナンスや内容更新のため本サービスの提供を一時中断、あるいは本サービスの廃止を行う場合があります。当該変更または一時中断、廃止によってユーザーまたは第三者に損害が生じた場合であっても、当社はいかなる責任も負いません。

13.本規約の改訂
当社は、随時本規約を改訂できるものとします。当社は本規約を改訂した場合、その都度、改定後の本規約を掲示することによってユーザーに告知するものとし、改定後の本規約は当該掲示の時点で効力を生じるものとします。

14.準拠法、協議、管轄
本規約の解釈および運用は日本法に準拠します。 本サービスに関連してユーザー、当社ないし第三者との間で疑義、問題が生じた場合、その都度誠意をもって協議し、解決を図るものとします。 協議によっても疑義、問題が解決しない場合、これらに関する紛争は当社の本社所在地を管轄する地方裁判所または簡易裁判所を第1審の専属的合意管轄裁判所とします。
 
附則
本規約は2022年9月30日から実施します。