2024.11.28
with a camera in Showa Village 2-3
「道の駅 からむし織(おり)の里しょうわ」にお邪魔して、“面白い方”だという駅長さんを呼んでもらおうとすると、
「出張で今日はいないんです。」
あら残念。ただ村民お勧めの羊羹を取材したい旨話をすると、
「出張で今日はいないんです。」
あら残念。ただ村民お勧めの羊羹を取材したい旨話をすると、
国道400号沿いにある、「道の駅 からむし織の里しょうわ」。 |
駅長は出張中! む、無念。 |
「こちらです。」
とご紹介頂きました。あれ、1種類ではないのでしょうか?
とご紹介頂きました。あれ、1種類ではないのでしょうか?
村で作った羊羹は健在。 |
あら、幾つか種類がある? |
「村民が話していた羊羹は『甚パ羊羹(じんぱようかん)』で、隣はやはり地元の方が作った羊羹です。」
見ると、からむしを練り込んだ羊羹もあります。
「からむし」とは麻に似た繊維が採れる植物で、通気性や吸湿性がよく肌触りが良い事から値が張る繊維で、からむしを栽培しているのは本州では昭和村だけです。
見ると、からむしを練り込んだ羊羹もあります。
「からむし」とは麻に似た繊維が採れる植物で、通気性や吸湿性がよく肌触りが良い事から値が張る繊維で、からむしを栽培しているのは本州では昭和村だけです。
無人販売の女性が勧めていたのは、こちらの「甚パ羊羹」。 |
隣には村特産の「からむし」を使った羊羹も! |
「この羊羹には、からむしの葉を練り込んでいます。」
なるほど、繊維にするのはからむしの茎の部分、からむし織には使われない葉を有効活用した羊羹という訳です。
「しかもからむしは、栄養価が高いと言われているんです。」
なるほど、繊維にするのはからむしの茎の部分、からむし織には使われない葉を有効活用した羊羹という訳です。
「しかもからむしは、栄養価が高いと言われているんです。」
その名もストレートに、「からむしようかん」。 |
葉を練り込んだそう。織物で使うのは茎の方。 |
からむしには、カルシウムやβカロテン・ビタミンB2等が多いのだそうです。
昭和村では、羊羹のほかにラーメン、お茶、うどんにも、からむしを使った商品が販売されています。
昭和村では、羊羹のほかにラーメン、お茶、うどんにも、からむしを使った商品が販売されています。
からむしは栄養価が高いらしく、うどんや |
ラーメン・お茶など、からむしを使った飲食できる加工品も売られている。 |
折角なので、からむしようかんを頂きます。見た目には葉を砕いたものでしょうか、粒粒のようなものが見えます。
食べてみるとみっちり系の食感の羊羹で、葉の青臭い感じは全くしません。また食感は滑らかで、葉が舌触りに変化をもたらす事もありません。若い人の言葉で言うと「普通に美味しい」羊羹です。
食べてみるとみっちり系の食感の羊羹で、葉の青臭い感じは全くしません。また食感は滑らかで、葉が舌触りに変化をもたらす事もありません。若い人の言葉で言うと「普通に美味しい」羊羹です。
からむしようかんは、1人用のサイズで販売されていた。 |
断面を見ると、中心部の方が小豆の割合が高そう。 |
一方の、昔からあるという「甚パ羊羹」は、御自宅で作っているという事で、早速向かう事にします。
作っているのはこちらの男性です。
ただ家にお邪魔すると、玄関入ってすぐの所に価格表が。
作っているのはこちらの男性です。
ただ家にお邪魔すると、玄関入ってすぐの所に価格表が。
農家にお勧めされた羊羹の製造元へ。 |
羊羹を作っているのは、こちらの男性。 |
「村の人が直接買いに来る事もあるので、それ用です。」
ご主人は、羊羹の作り手としては四代目。この羊羹を作り始めたのは、明治時代にまで遡るそう。商品名は、作った甚八さんの名前から。その後20年余り前まで甚パ羊羹を作っていた女性が別の市町村に引っ越す事になり、
「この味が無くなるのは勿体ないなと思って、その女性から道具を譲り受けて、作り方を教えてもらったの。」
ご主人は、羊羹の作り手としては四代目。この羊羹を作り始めたのは、明治時代にまで遡るそう。商品名は、作った甚八さんの名前から。その後20年余り前まで甚パ羊羹を作っていた女性が別の市町村に引っ越す事になり、
「この味が無くなるのは勿体ないなと思って、その女性から道具を譲り受けて、作り方を教えてもらったの。」
玄関を入ると価格表が。ご近所さんが買いに来た時用だと言う。 |
こちらで四代目になるそう。初代から、親族間で継がれてきた。 |
60歳を過ぎて羊羹作りを始めたものの、三代目が引っ越してしまった為、最初は週に一度、作っては引っ越し先の三代目の所に持って行ってアドバイスをもらっていたのだとか。
「もうちょっと甘くした方が良いんじゃないの、とか教えてもらいました。あと季節によっても熱を通す時間が違ってくるから…。」
「もうちょっと甘くした方が良いんじゃないの、とか教えてもらいました。あと季節によっても熱を通す時間が違ってくるから…。」
第二の人生で、羊羹づくりを始めた。 |
羊羹を作る作業場を見せて頂く。 |
ただ小豆、砂糖、棒寒天といった材料や作り方は今でもそのまま。
「硬くならないように注意をしています。」
「硬くならないように注意をしています。」
小豆を絞る機械や、 |
羊羹を流し込む型が。年季が入っている。 |
実際に頂いてみると、食感はみっちりタイプというより、水ようかんにやや近い柔らかさを持った羊羹で、ちょっと軽い感じの味わいが後を引きます。
「今も米を作っているから、羊羹は週末に一度作る位だね。」
作った羊羹は、奥様と2人で包装します。羊羹を切る際に出る「切り落とし」の部分で必ず味見をします。
「今は大丈夫だけど、昔は甘みや食感が納得いかないと、全部自分で食べたの。」
「今も米を作っているから、羊羹は週末に一度作る位だね。」
作った羊羹は、奥様と2人で包装します。羊羹を切る際に出る「切り落とし」の部分で必ず味見をします。
「今は大丈夫だけど、昔は甘みや食感が納得いかないと、全部自分で食べたの。」
これが2本入ったものが、道の駅で売られている。 |
四代目自ら切ってくださった。 |
自らが覚えた味わいでないと、商品としては販売しなかったと言います。自分に厳しかったからこその、昔ながらの味が守られています。
その羊羹の入った箱には、羊羹の歴史が書かれたピンクの紙が入っていて、平成2(1990)年に作られた『昭和音頭』が印刷されています。北島三郎さんが歌ったようです。
「これ作詞したのが、先代の女性。」
えええ! 詞を読むと、三代目はなかなかに歌心もある方のようです。
その羊羹の入った箱には、羊羹の歴史が書かれたピンクの紙が入っていて、平成2(1990)年に作られた『昭和音頭』が印刷されています。北島三郎さんが歌ったようです。
「これ作詞したのが、先代の女性。」
えええ! 詞を読むと、三代目はなかなかに歌心もある方のようです。
自分で合格点を出せないものは、売らなかった。 |
中に入った商品説明書きには、裏に先代が作詞した「昭和音頭」の歌詞が。 |
現在83歳(四代目だそう)、後継者はいるのか尋ねると
「いや、まだいないです。(自分の)子どもが継ぐんだかどうか…。」
いやいや、出来ればお子さんかどなたかに継いでもらって、是非昔ながらの昭和村名物の甚パ羊羹を残してください。(つづく)
「いや、まだいないです。(自分の)子どもが継ぐんだかどうか…。」
いやいや、出来ればお子さんかどなたかに継いでもらって、是非昔ながらの昭和村名物の甚パ羊羹を残してください。(つづく)
後継者はまだ決まっていないと言う。 |
作業場の前で。「大黒屋菓子店」の屋号を持つが、店舗は構えていない。 |
今回、道の駅の駅長さんと、「からむしようかん」を作っている方にお会いできず、4年前の1巡目の旅のスタート地点に戻ってみる事に。すると…
その4「よいやれや(寄ってくださいな) 村民による元気なチャレンジショップ」はこちらをクリック。
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4年前、1巡目の旅の出発点の喰丸小に。 |
あれ?お店がある?? |
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