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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
The Postman from Nagasaki
 きょう8月9日は、長崎に原爆が投下された日。唯一の被爆国の一人として、忘れてはいけない日の一つだ。
 先日公開された映画『長崎の郵便配達』(The Postman from Nagasaki)を観て来た。

 イギリス空軍のパイロットで映画『ローマの休日』のモチーフにもなったというピーター・タウンゼント氏は、軍を退役後、世界旅行に出るなどした。そんな中出会ったのが、谷口稜曄(すみてる)氏。16歳の時に長崎で被爆した方だ。その谷口氏から聞いた話を元に書いたのが、ノンフィクション小説『ナガサキの郵便配達』(THE POSTMAN OF NAGASAKI)だ。
 映画はタウンゼント氏の娘で女優のイザベル・タウンゼント氏が、父自身と父の小説の思い出を胸に長崎を訪れる様子をカメラに収めたものだ。

 谷口氏は被爆後実に1年9か月もうつぶせのままの治療生活を送った。谷口氏の退院時の自分の体の描写からは、入院生活の壮絶さがリアルに伝わってくる。イザベル氏は残されていた父親の肉声テープや、長崎で出会った当時を知る人の話、そして小説の一文一文に改めて触れながら、原爆が投下された長崎と、父と谷口氏との交流、そして父の想いに、思いを馳せる。
 映画の内容は時々映像に登場する郵便配達の少年を除いてはドキュメントなのだが、単に小説に沿って長崎や谷口氏(と家族)の歴史や事実を追いかけるだけでなく、父の音声や父を知る人の話に触れる事で、娘イザベルと父ピーターとの心の交流という、二重構造のドキュメントとなっている。
 そしてイザベル氏は、父の“長崎の出来事を伝える”という想いを理解し、或る取り組みに関わる……。

 イザベルやピーターの語りと小説の文章といった“言葉”が、当時の風景と何より心模様を浮かび上がらせていく点で、舞台装置の限られた“演劇的”もしくは“小説的”映画と感じた。イザベル氏の語る映像を見ながら、耳で聞いた情報を頭の中で映像として組み立て、イザベル氏の頭の中の景色を想像する…その作業を通じてイザベル氏と一緒に思い出と想いを追いかける、そんな映画だ。

 小説の原題は” THE POSTMAN OF NAGASAKI”で、映画の英語タイトルは” The Postman from Nagasaki”。これはネイティブのような英語の知識も無い私の勝手な解釈だが、ピーター氏にとっては長崎で郵便配達(谷口氏)に直接出会った事が、イザベル氏にとっては出会うまでの距離感が、ofとfromの違いになったのかなとも思った。
 そして或る場面で、イザベル氏は言う。
「ここに父がいる。(谷口)スミテルさんもいる…。」
 日本から遠い国で感じた、会いたい人の魂―――形無き存在・目に見えない実在―――、それがイザベル氏にとってThe Postman “from” Nagasakiの方がしっくりくる理由だったのだろうか、なんて…(本当に無知の想像なので、誤っていたらご容赦を)。

 戦争も原爆も、僅か80年程前の自分の国の出来事だ。そして日本を取り巻く世界を見れば、戦争も核も現在進行形の問題だ。過去を知り、学び、今を考える事を、続けていかなければ…。
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