2022.07.21
with a camera in Tenei Village 2-3
「ぶらカメ」天栄村篇2巡目その3です。
その1「天栄村にも“きゅうり天王祭?”&きゅうりと言えば河童伝説」は、こちらをクリック。
その2「趣味が実益に…!? 盆栽農家は自らの写真&蒐集品をギャラリーに」は、こちらをクリック。
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ギャラリーのある盆栽農家を後にして村内をぶらぶらしていると、お菓子屋さんを見つけました。
「菓子処 日の出屋」で、「カリ揚げまんじゅう」(ダジャレかしらん)や「静御前」など、気になる名前のお菓子も色々ありそうです。お客さんがひっきりなしにやってきています。
中へ入ると、午前10時半を過ぎた頃ですが、お客さんがお買い物中。店の方に取材の趣旨を話すべく、
「ゴジてれのぶらカメで来た…」
というと、
「やったー!!」
と声をあげるお客さん。幸い「ぶらカメ」をご存じのようです。
「菓子処 日の出屋」で、「カリ揚げまんじゅう」(ダジャレかしらん)や「静御前」など、気になる名前のお菓子も色々ありそうです。お客さんがひっきりなしにやってきています。
中へ入ると、午前10時半を過ぎた頃ですが、お客さんがお買い物中。店の方に取材の趣旨を話すべく、
「ゴジてれのぶらカメで来た…」
というと、
「やったー!!」
と声をあげるお客さん。幸い「ぶらカメ」をご存じのようです。
文字通り看板商品の多い「日の出屋」。 |
「ぶらカメ」を知って下さっていたお客様。 |
そのお客さんにお勧めを聞くと、
「何でも美味しいんですけど、バター食パンがお勧めです。私もバター食パンが食べたくて買いに来ました。」
聞けばお隣白河市からやってきたという御三方、お友達だそうです。
「人気で、早く来ないと無くなっちゃうんです。」
「金曜限定なんです。バターが手に付くくらい、たっぷり入っています。」
とバター食パンのお勧めコメントが続きます。
「何でも美味しいんですけど、バター食パンがお勧めです。私もバター食パンが食べたくて買いに来ました。」
聞けばお隣白河市からやってきたという御三方、お友達だそうです。
「人気で、早く来ないと無くなっちゃうんです。」
「金曜限定なんです。バターが手に付くくらい、たっぷり入っています。」
とバター食パンのお勧めコメントが続きます。
お隣白河市からバター食パンを買いに来たそう。 |
早く来ないと売り切れてしまうという。 |
最初に声を上げた方は食パンとバター食パンをそれぞれハーフ(1.5斤)買っていましたが、
「ほら、バター食パンの方がふっくらしているんです。」
確かに食パンよりも、焼き上がりが大きくなっているようです。更にその方が、
「あと、付食(つけしょく)も美味しいですよ。」
付食とは?
「こちらで食パンにジャムとかピーナッツとかを塗って、サンドしてくれるんです。」
なるほど、食パンにジャムなどを付けるので「付食」ですね。
教えて下さった女性は、私達に勧めた後追加で「付食」を注文しています。
「ほら、バター食パンの方がふっくらしているんです。」
確かに食パンよりも、焼き上がりが大きくなっているようです。更にその方が、
「あと、付食(つけしょく)も美味しいですよ。」
付食とは?
「こちらで食パンにジャムとかピーナッツとかを塗って、サンドしてくれるんです。」
なるほど、食パンにジャムなどを付けるので「付食」ですね。
教えて下さった女性は、私達に勧めた後追加で「付食」を注文しています。
![]() お客さんの買った食パン(左)とバター食パン。バター食パンの方が更にふっくらしている。 |
![]() 付食。色々なバージョンが楽しめる。 |
店の方が、社長を呼んできてくださいました。
「店が出来て65年です。」
二代目の社長にバター食パンについて伺うと、
「最初は給食に出していたんです。そうしたら子ども達に好評で、こちら(村)では金土日と給食(用のパンを出す事)が無いので、だったらその日に出してみようと3年位前から店で売り始めました。」
今回は特別に店内でバター食パンを試食させて頂きました。
まず全体がふわっとしています。そして噛むともちっと感も出て来て、バターの香り・コクに小麦の美味しさも加わって、これは絶品!
「店が出来て65年です。」
二代目の社長にバター食パンについて伺うと、
「最初は給食に出していたんです。そうしたら子ども達に好評で、こちら(村)では金土日と給食(用のパンを出す事)が無いので、だったらその日に出してみようと3年位前から店で売り始めました。」
今回は特別に店内でバター食パンを試食させて頂きました。
まず全体がふわっとしています。そして噛むともちっと感も出て来て、バターの香り・コクに小麦の美味しさも加わって、これは絶品!
二代目の社長さん。 |
自重でたわむほど柔らかくふっくらしたバター食パン。 |
「ここ天栄村は水が良いんですよ。小麦と水でこねてグルテンが出来るんですが、その出来が水によって違うと思うんです。ここは軟水なので、美味しく出来るんじゃないかと思っています。」
普段は朝4時起きでパンを焼くそうですが、涼しい時期の土日は食パン・曜日限定食パンを140本焼くので、朝2時半起きだそうです。
普段は朝4時起きでパンを焼くそうですが、涼しい時期の土日は食パン・曜日限定食パンを140本焼くので、朝2時半起きだそうです。
パンの美味しさは「村の水の良さ」と語る。 |
金曜ロケなので、毎日販売の食パンとバター食パンのみ値段が出ている。 |
すると先程のお客さんが
「これ、『付食』なんです。食べてみてください。」
と付食のピーナツ(クリーム)とジャム・マーガリンを下さったのです。
「いや、これ本当に美味しいんで食べてみてください。」
お客さん、私達の試食用に付食を追加で買ってくださったのです。お店の方から試食を勧められる事はありますが、お客さんがわざわざ自腹で試食を勧めてくるなんて、よほど美味しいのですね。
「これ、『付食』なんです。食べてみてください。」
と付食のピーナツ(クリーム)とジャム・マーガリンを下さったのです。
「いや、これ本当に美味しいんで食べてみてください。」
お客さん、私達の試食用に付食を追加で買ってくださったのです。お店の方から試食を勧められる事はありますが、お客さんがわざわざ自腹で試食を勧めてくるなんて、よほど美味しいのですね。
「食べてみて」 |
お客さんがわざわざ買って、私に試食をプレゼント。 |
ジャム・マーガリンの付食を開いてみると、たっぷりと塗られていますねぇ。
「付食は、注文を受けてから食パンを切って、塗ってお出しします。」
切りたて・塗りたての付食、まずパン自体が美味しいのと、たっぷりのジャムの甘さにマーガリンのちょっとした塩気とコクがイチゴの味を引き立てます。ただたっぷり縫ってもパンの美味しさがしっかりしているので、パンが負けていません。
店内には、食パンが先代の時に表彰された賞状が飾ってありました。自慢の食パンなんですね。
「付食は、注文を受けてから食パンを切って、塗ってお出しします。」
切りたて・塗りたての付食、まずパン自体が美味しいのと、たっぷりのジャムの甘さにマーガリンのちょっとした塩気とコクがイチゴの味を引き立てます。ただたっぷり縫ってもパンの美味しさがしっかりしているので、パンが負けていません。
店内には、食パンが先代の時に表彰された賞状が飾ってありました。自慢の食パンなんですね。
付食は、食パンに好みのペーストを塗って、2枚で挟み込んだもの。 |
(高級)食パンは、先代社長が賞をとった逸品。 |
そんなこんなで話をする内にもお客さんは次から次へと訪れ、気が付けば…
バターパンは売り切れていました!まだ11時前です。
「大体遅くとも、お昼前後には売り切れちゃうんですよね。」
白河から来たお友達3人組も、道理で午前中を狙っていた訳です。美味しいお勧めパンをご紹介(しかもご馳走まで)して下さって、有難う御座いました。
バターパンは売り切れていました!まだ11時前です。
「大体遅くとも、お昼前後には売り切れちゃうんですよね。」
白河から来たお友達3人組も、道理で午前中を狙っていた訳です。美味しいお勧めパンをご紹介(しかもご馳走まで)して下さって、有難う御座いました。
ロケ中にいつの間にかバターパン売り切れ! |
お客様口コミのお勧め品は、どれも美味しかった~。 |
そのほかにも、こちらの店は『秘密のケンミンショー』でも紹介された「酒まんじゅう」(白がこしあん、茶が粒あん)をはじめ
こちらもどんどん売れていく「酒まんじゅう」。 |
地元出身・和田聰宏さんオススメ。 |
最中やゆべしなどの和菓子から、ロールケーキにブッセなどの洋菓子まで、幅広い品ぞろえで、お客さんも10個以上買って行く方も結構いらっしゃいました。
和菓子の数々。お茶に合いそう。 |
洋菓子の数々。コーヒー・紅茶に合いそう。 |
「因みにここは水も米も美味しいし、向かいの(食堂)『味処 広戸』さんも人気でお客さんが訪れます。地名が『飯豊(いいとよ)』って言うんですよ。ご飯が豊かって書くんです。好い地名でしょ?」
確かに色々なものが美味しそうです。そういえば、前回天栄村で豆腐屋さんも訪れましたっけ。「美味しい理由は水です」と教えて頂きました。
豆腐店「亀屋食品」のエピソードは、こちらをクリック。
「日の出屋」の食パンなど人気商品は、午前中早い時間帯の方が手に入れやすそうです。県道289号沿いにあります。
確かに色々なものが美味しそうです。そういえば、前回天栄村で豆腐屋さんも訪れましたっけ。「美味しい理由は水です」と教えて頂きました。
豆腐店「亀屋食品」のエピソードは、こちらをクリック。
「日の出屋」の食パンなど人気商品は、午前中早い時間帯の方が手に入れやすそうです。県道289号沿いにあります。
店は朝の8時から開いている。 |
県道289号沿い、三角形の小島のような土地に店がある。 |
そんな日の出屋には、地元の銘酒の最中も販売されています。全国新酒鑑評会で金賞を受賞した酒蔵です。そこでその酒蔵の一つにお邪魔してみました。
廣戸川で知られる松崎酒造は創業1892(明治25)年という老舗で、地元で愛されている酒蔵の一つです。
地元ペンションにも置いてありましたっけ。その時のエピソードと味の感想は、こちらをクリック。
廣戸川で知られる松崎酒造は創業1892(明治25)年という老舗で、地元で愛されている酒蔵の一つです。
地元ペンションにも置いてありましたっけ。その時のエピソードと味の感想は、こちらをクリック。
寿々乃井(すずのい)・廣戸川は、天栄村の有名な日本酒。 |
同じく県道289号沿いに、松崎酒造はある。 |
実はこちらの酒蔵は土日がお休み。そういえば前回もお邪魔しようとして閉まっていた記憶があります。今回はたまたま金曜ロケだった事もあり、酒蔵は開いていました。全国新酒鑑評会10連続金賞受賞を祝って、胡蝶蘭が贈られていました。天栄村の酒の美味さの秘密は何でしょう?
「やはり米と水が良いのが、大きいでしょうね。」
「やはり米と水が良いのが、大きいでしょうね。」
社長に話を伺った。 |
全国新酒鑑評会金賞を祝う花が飾られている。 |
米は天栄村湯本地区や福島県産の米を使っています。
「うちは井戸水です。水が豊富ですね。」
まだ水道の無い時代からの酒蔵、さすが自前で水を調達しています。金賞受賞の酒があるか伺うと、
「ああ、もう出ちゃいましたかね。酒屋さんにあれば、あるようなものですが…。」
それはそうですよね。
「うちは井戸水です。水が豊富ですね。」
まだ水道の無い時代からの酒蔵、さすが自前で水を調達しています。金賞受賞の酒があるか伺うと、
「ああ、もう出ちゃいましたかね。酒屋さんにあれば、あるようなものですが…。」
それはそうですよね。
英字の賞状が並ぶ。 |
金賞受賞酒が…。 |
現在は、出荷を待つ酒が冷蔵室でその時を待っています。
冷蔵庫は5度以下にしてあるそうで、入るだけで一気に体から熱が奪われていきます。
「昔は火入れを二度したんですが、いまは一度で、造った酒を出来るだけ瓶詰にして冷温で保管する方が、品質を損ねなくて好いんですよ。」
冷蔵庫は5度以下にしてあるそうで、入るだけで一気に体から熱が奪われていきます。
「昔は火入れを二度したんですが、いまは一度で、造った酒を出来るだけ瓶詰にして冷温で保管する方が、品質を損ねなくて好いんですよ。」
社長に冷蔵室に案内して頂いた。 |
冷気の中、店に並ぶ時を待つ。 |
近くの酒蔵には酒米を蒸す為に釜があり、煙突が付き物ではありますが…
「いまはバーナーなので、屋根から少し高い位で好いんです。あと地震の影響も大きいんですよね。」
周りの鉄骨は、昔の煙突の高さを物語っています。しかし震災の影響で壊れた事もあり、煙突自体は短くなりました。
「いまはバーナーなので、屋根から少し高い位で好いんです。あと地震の影響も大きいんですよね。」
周りの鉄骨は、昔の煙突の高さを物語っています。しかし震災の影響で壊れた事もあり、煙突自体は短くなりました。
酒蔵に立つ煙突。外枠より短いのは、バーナーに変わったから。 |
鉄骨は昔の煙突が高かった名残だ。 |
今年は梅雨が短かったですが、今年のお酒造りに欠かせないお米はどうでしょう?
「梅雨が短いと言っても気温は上がっていますし、大丈夫じゃないですか。8月の頭に花が咲く時期に低温にならない限りは。」
因みに去年の酒米は硬かったり、崩れちゃったりする事もなく、好かったそうです。今年も酒造りに向いた良いお米が稔るのが楽しみです。
「梅雨が短いと言っても気温は上がっていますし、大丈夫じゃないですか。8月の頭に花が咲く時期に低温にならない限りは。」
因みに去年の酒米は硬かったり、崩れちゃったりする事もなく、好かったそうです。今年も酒造りに向いた良いお米が稔るのが楽しみです。
米は、花をつける時期の前後の気温がポイントになるという。 |
飲んでみたかったなぁ…。 |
今回天栄村を回って、改めて豊かな自然の恵みを受け、派手ではないものの豊かな暮らしを営んでいる地域だと感じました。河童の伝説も、水が齎す恵みと災いに感謝と畏敬の念を持つ中で生まれたものでしょう(実際あった事かも知れませんが…)。
厳しくも豊かな自然環境から生まれたであろう河童伝説。 |
疫病との闘いもあったのだろう。 |
酒造りの技術などは受け継がれ発展していく一方、自然の美を小世界として作り育てる盆栽の技術は伝承が難しそうです。私も含め、そういった良さや美しさを愛でる審美眼を持っていきたいものだと、少し真面目な事を思ったりもして…。
国内の盆栽愛好家は、少数高齢化が進む。 |
杉玉に惹かれる愛飲家。 |
次回はこの週末に、河岸アナが只見町(ただみまち)にお邪魔します。どうぞよろしくお願いします。
良さが分かる人がいないと、技術は伝わらない。 |
センスばかりは、持っていないとなぁ…。 |
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