2022.05.27
a papier-mâché KerBEKOs
『ゴジてれChu!』木曜恒例のコーナーには、「ぶらカメ」のほかに宮城と結ぶ「バンデス×Chu!」があります。今週はそちらのコーナーも、私がリポーターを担当しましたので、その取材&こぼれ話を…。
今回は、“実寸大!?神獣ベコ”をご紹介しました。
今、赤べこと、想像上の動物(ユニコーンやペガサス)等が合体したその名も「神獣ベコたち」シリーズが、ガシャポン(カプセルトイ)でも人気です。
シリーズを集めている猪苗代町の美味しくてちょっと不思議なラーメンを出す店は、こちらをクリック。
今回は、“実寸大!?神獣ベコ”をご紹介しました。
今、赤べこと、想像上の動物(ユニコーンやペガサス)等が合体したその名も「神獣ベコたち」シリーズが、ガシャポン(カプセルトイ)でも人気です。
シリーズを集めている猪苗代町の美味しくてちょっと不思議なラーメンを出す店は、こちらをクリック。
神獣ベコたちのシリーズは、ガシャポンで人気。 |
品切れになるのも早いという。 |
因みに赤べことは会津の張子の郷土玩具で、べことは会津の方言で「牛」のこと、また疫病退散の縁起物とあって新型コロナウイルス終息の願いを込めて買っていく方もいます。
赤べこグッズ色々については、こちらをクリック。
羊毛フェルトで赤べこが自作できる!! は、こちらをクリック。
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赤べこの張子。首が揺れるのが可愛い。 |
現在は様々なバージョンが売られている(写真は今回紹介する店のものではありません)。 |
神獣ベコたちシリーズの一つが、ギリシャ神話に出て来る3つの頭を持つ冥府の番犬「ケルベロス」と赤べこが融合した“ケルベコス”です。番をするというより愛らしさの方が際立ちますが、ついにこのケルベコスの張子バージョンが登場したのです!
ケルベコスの張子版とガシャポン版。存在感がある。 |
ケルベコスの張子バージョンを作ったのが、会津若松市にある「笑美(わらび)」です。こちらの先祖は江戸時代の下級武士で、内職として張子作りをしていたそうで、お店としては5代続いています。
張子のケルベコスを製造・販売している「笑美」。 |
店内には赤べこをはじめとした張子がずらり。 |
で、今回作ったのがこちらの張子版「ケルベコス」です。これ、ガシャポンの神獣ベコのケルベコスは3つの頭が繋がっていますが、張子版は頭が一つずつ別個に作られていて、それぞれに揺れるのです。
店頭に並ぶ張子の「ケルベコス」(8800円)。 |
ケース内のクッションも、ケルベコスを引き立てる色になっている。 |
何でも神獣ベコたちファンから「張子版を作ってほしい」との声があり、それを受けて作ったと言います。普通張子は、木型に和紙を貼り付けて本体を形作り、それに彩色して完成させます。という事はケルベコスの木型を作った訳ですか?5代目の息子さん曰く
「神獣ベコと縮尺を同じくして作りました。」
木型をですか?
「いえ、これの型は樹脂です。3Dプリンタで…。」
今時ですねぇ。3つの首が入る部分の胴体幅は6センチあるそうです。苦労を伺うと、
「(頭の)距離が近いと2つ同時に動いたりするので、頭を3つ別々に動くようにするバランスに苦労しました。」
「神獣ベコと縮尺を同じくして作りました。」
木型をですか?
「いえ、これの型は樹脂です。3Dプリンタで…。」
今時ですねぇ。3つの首が入る部分の胴体幅は6センチあるそうです。苦労を伺うと、
「(頭の)距離が近いと2つ同時に動いたりするので、頭を3つ別々に動くようにするバランスに苦労しました。」
張子のケルベコスを作った5代目の息子さん。 |
赤べこに彩色を施す。 |
ちなみに頭の部分は、一般の赤べこではなく、こちらの万両赤べこの頭を利用したそう。
「こっちの方が頭が重く作られていて、しっくりくるんです。」
「こっちの方が頭が重く作られていて、しっくりくるんです。」
千両箱ならぬ万両箱を背負った赤べこ。 |
型に和紙を貼ってから彩色して1体が出来上がるまで、約1か月かかります。そこで人気商品とは言え、どんなに頑張っても「月50個が最高」だったと言います。
木型と、彩色前の張子(サイズは違いますが)。木型に和紙を貼って、固まったら切って外して貼り合わせる。 |
色を塗って乾燥させて…を繰り返す。 |
ただ嘗て頭が3つある張り子を作った経験があると言うのは、5代目の奥様。
「だって昔はこんな張子も作っていたんですもの。」
それは親熊に子熊2頭がじゃれつく張子です。現在は生産しておらず、蔵に眠っていた過去の張子だそうです。
「だって昔はこんな張子も作っていたんですもの。」
それは親熊に子熊2頭がじゃれつく張子です。現在は生産しておらず、蔵に眠っていた過去の張子だそうです。
首が3つの張子を持つ、5代目の奥様。 |
親熊に子熊がじゃれつく張子(現在は生産していません)。複雑な作りだ。 |
「こうして見ると、昔は色んな張子を作っていたんです。」
こちらは自ら狩りをする熊の張子。背中にはちゃんと捕まえた鮭を背負っています。
こちらは自ら狩りをする熊の張子。背中にはちゃんと捕まえた鮭を背負っています。
熊1頭バージョン。前から。 |
後ろから。獲った魚を背負っている(現在は生産していません)。 |
赤べこのように首の動く猿の張子もあったんですね。
「昔は赤べこ単体でなく、小原庄助さんとセットの張子もあったんですよ。」
今より張子が身近で需要があった分、バリエーションも豊かだったのかも知れません。
「昔は赤べこ単体でなく、小原庄助さんとセットの張子もあったんですよ。」
今より張子が身近で需要があった分、バリエーションも豊かだったのかも知れません。
猿の張子。 |
小原庄助さんと赤べこのセット。(いずれも現在は生産していません)。 |
勿論神獣ベコを制作したところの認可を受けた張子版ケルベコス、1体8800円で店頭では1人1個まで、また6月上旬からはネット販売も始めるそうです。詳しくは「笑美 ケルベコス」で検索してみてください。因みにケルベコスは、ケースから出して飾る人もいれば、ケースのまま置いて眺める人もいるそうです。
放送用に撮影中。 |
ターンテーブルの上で回るケルベコス。 |
こちらの笑美は張子の老舗ですので、昔ながらの赤べこや干支の張子は勿論、今の時代にあった色々なタイプがあります。
「こちらはメタリック。」
「こちらはメタリック。」
勿論、干支の張子も作っている。 |
店内正面には赤べこと、その”派生形”が並ぶ。 |
金属のような光沢のあるべこで、その名も「めたりっくべこ」。現在では色の数も増えました。5代目の奥様は、
「女子に人気なのは水色っぽい明るいブルー。私は小さいのは人気が出ないと思っていたんですが、並べてみると『かわいい』って言って、小さいのを買っていくんです。ただ小さいのは彩色が大変なんです。なので、値段は普通の赤べこの小サイズと同じ1100円なんです。」
「女子に人気なのは水色っぽい明るいブルー。私は小さいのは人気が出ないと思っていたんですが、並べてみると『かわいい』って言って、小さいのを買っていくんです。ただ小さいのは彩色が大変なんです。なので、値段は普通の赤べこの小サイズと同じ1100円なんです。」
こちらが「めたりっくべこ」。カラーバリエーションも豊富。 |
昔の人が見たらびっくりするであろう”色違い”だ。 |
この「めたりっくべこ」は、元は東京五輪用に作ったのだとか。
東京五輪バージョンに作ったのがきっかけだとか。 |
小サイズはミニカーを縦長にした位のサイズで、お土産にしても荷物にならない。 |
他にも熊やパンダといったベコじゃない張子に…
熊やパンダの張子も。エアコンの微風に… |
首が動いてカメラ目線に…。癒される~(1650円)。 |
柿渋を塗った「柿渋べこ」(2004年の福島特産品コンクールの大賞になったそう)、また先祖が武士だった事もあり、新撰組や白虎隊の「侍ベコ」も作っています。
渋い仕上がりの「柿渋べこ」。 |
侍べこ。白虎隊や新撰組がモチーフ。 |
因みにこちらの赤べこは昭和30(1955)年に、昭和天皇皇后両陛下がお買い上げになり、昭和36(1961)年の年賀切手の図案に採用されたのだとか。
そして赤べこ関連ではテレビや映画にも色々協力を求められる事も多いらしく、
「これは映画『るろうに剣心』のセットで使われたものだそうです。映画スタッフが下さったんです。」
そして赤べこ関連ではテレビや映画にも色々協力を求められる事も多いらしく、
「これは映画『るろうに剣心』のセットで使われたものだそうです。映画スタッフが下さったんです。」
年賀切手の図案になった事があるという。 |
映画で使われた小道具だそう。 |
ほかにも5代目の奥様は古布なども店で扱っています。ここには古き良きもの、そして古くて新しいものがあります。起き上がりこぼしや張子面といった民芸品もあります。1個1個手作りなので、表情も微妙に異なります。興味のある方は実際にお店に来て、実際に顔を見て選んでみては如何でしょう。
古布なども求める事が出来る。 |
店ではガシャポン版とセットで買う事も(但しケルベコスが出るとは限りませんが)。 |
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