2021.02.22
with a camera in Sukagawa City 4
(2月25日・24日・23日のブログの続きです。)
「いまは更地になっています。」
という豊年餅屋の元店舗跡を見がてら進んだのが、その先の馬町通り商店街。確かに向かいは公園で、更地には車が止まっていました。
「いまは更地になっています。」
という豊年餅屋の元店舗跡を見がてら進んだのが、その先の馬町通り商店街。確かに向かいは公園で、更地には車が止まっていました。
かつては馬が荷を運んで行き来したのだろうか…。 |
その先を暫く進むと、店先に「Cafe TOKUZO」と書かれた黒板を目にします。私も名前が「徳光」なので、「TOKUZOU」という名前にちょっと惹かれます。店先で煙草を燻らせていた男性に尋ねると、まさに「TOKUZOU」のご主人との事。すると
「月に1回だけオープンする店だったんです。」
え、月に1回?きょうオープンしているという事は、その月に1度の日に当たったって事ですか?
「月に1回だけオープンする店だったんです。」
え、月に1回?きょうオープンしているという事は、その月に1度の日に当たったって事ですか?
道路に面した黒板に「OPen」の文字。でも開店日が… |
「閉まっている日の方が多いので、そっちで有名になっちゃったんですが、去年の12月から週末オープンするようにしました。良かったら、中を見て行って下さいよ。」
と仰います。カフェで「中を見て行って」とは一体…?中に入ってびっくり!
と仰います。カフェで「中を見て行って」とは一体…?中に入ってびっくり!
こちらのカフェの「中を見て」みると… |
「額縁を作って、売っているんですよ。」
手のひらサイズの小さなものから、ちょっと変わったものまで、様々な額縁が並んでいます。
手のひらサイズの小さなものから、ちょっと変わったものまで、様々な額縁が並んでいます。
実は手作り額縁を販売する、ギャラリーを兼ねたカフェだったのだ。 |
「その額縁ね、100年とか150年とか前の古材などを再利用しているんですよ。」
確かに、額縁の木材は年季が入っていますし、
確かに、額縁の木材は年季が入っていますし、
額縁の材料は、家具などに使われていた木材だ。道理で、年月が醸す素敵な色合いをしている。 |
穴があいているものや、
どこの部材だったのか、穴があいている。これも味わい。 |
扉を利用したもので、蝶番がついたままの額縁まであります。だけど、それが却って味がある。それが却って面白い。趣があります。
蝶番も付きっぱなし。これがお洒落なのだ。 |
「そっちは昔のマッチが入れてあるんです。」
昔はマッチも煙草以上にデザインが豊富でした。使い込んだ家具材の額縁に入ると、しっくり味わいが増します。
昔はマッチも煙草以上にデザインが豊富でした。使い込んだ家具材の額縁に入ると、しっくり味わいが増します。
マッチの図柄も、額縁に収まれば素敵な絵画に。 |
「それはチェコスロバキアのマッチ箱。何て書いてあるか分からないけど、可愛くて、色遣いが好きでね。」
年代ものの絵は、年代物の額縁がよく似合う。 |
中には、名刺を入れてある額縁も。それなら、えいっ。
名刺も、ちょっとしたインテリア風に。悪戯心で… |
冗談で私の名刺を置いてみました。私の名刺も、この店の額縁に収まると、ちょっとしたインテリアになるではありませんか。するとご主人、
「こんな事をすると、もっと違った印象になりますよ。ほら。」
「こんな事をすると、もっと違った印象になりますよ。ほら。」
私の名刺も、結構見栄えするじゃないですか。額縁様様。 |
これは額縁の内側に、凹凸のあるガラスをはめ込んだのです。
「このガラスも、古いところ(家具など)から切り取って使っているんです。」
「このガラスも、古いところ(家具など)から切り取って使っているんです。」
ガラスに凹凸があるので、角度で文字の見え方も変わって面白い。 |
ほかにも、装飾が凝っている額縁もたくさんあります。
これ、何で縁を装飾しているか分かりますか?
これ、何で縁を装飾しているか分かりますか?
こんな遊びのある額縁も…。 |
そう、物差しです。
物差しを額縁にあしらってある。 |
ではこちらは何だか分かりますか?
「薬屋の温湿度計を半分に切って組み合わせたんです。50までの方が温度計、100の目盛りがある方が湿度計。」
下の方を見ると、「大島薬」という文字が半分に分かれているのが分かります。大島薬局が寄贈した温湿度計だったのでしょうか。昔は会社の名前が入った鏡や寒暖計が、広告代わりに銭湯や学校に置かれている事がありました。今だと企業名の入ったカレンダーが、その役割を果たしているでしょうか。
「薬屋の温湿度計を半分に切って組み合わせたんです。50までの方が温度計、100の目盛りがある方が湿度計。」
下の方を見ると、「大島薬」という文字が半分に分かれているのが分かります。大島薬局が寄贈した温湿度計だったのでしょうか。昔は会社の名前が入った鏡や寒暖計が、広告代わりに銭湯や学校に置かれている事がありました。今だと企業名の入ったカレンダーが、その役割を果たしているでしょうか。
昔の温湿度計の板を、半分に切って額縁に…。 |
液体温度計を固定した穴が残っているのも分かります。物差しや温度・湿度の目盛りすら、デザインの一部になってしまいます。
「洗濯板を使ったものもありますよ、あれです。」
「洗濯板を使ったものもありますよ、あれです。」
目盛りや数字も、デザインの一部に。 |
洗濯機が誕生する前、その頃の主婦の大仕事の一つが、洗濯板による洗濯でした。これに石鹸を付けた衣服などをこすりつけて、汚れを落としたのです。今考えると重労働ですよね。
洗濯板が額縁に…って縁の方が大きいんですけど(^-^; |
「これ、何だか分かりますか?」
丸い形をしていて、焼き印も押してありますねぇ。
「炊いたご飯を入れるおひつの蓋なんです。」
丸い形をしていて、焼き印も押してありますねぇ。
「炊いたご飯を入れるおひつの蓋なんです。」
円い額縁?元は一体…? |
なるほど裏返すと、おひつの蓋である事がよく分かります。
裏返すと分かる…ん?最近の若い人は知らないかも。 |
こんな面白い額縁を編み出したのが、木村徳蔵さん。でも今でこそ週末に店を開けているそうですが、月1回の営業だと収入はどうしているのでしょう?
「本業はリフォーム業なんですよ。」
「本業はリフォーム業なんですよ。」
色んな額縁を作ってしまう木村徳蔵さん。 |
このカフェも、元は倉庫だったものをご自身が本業の合間に改装したもの。
「音の出る作業は日曜の昼間にして、それ以外を本業が終わった夜に来て、少しずつ進めていたんです。さすがに時間がかかり過ぎたので、最後は仲間が手伝ってくれましたが…。」
「音の出る作業は日曜の昼間にして、それ以外を本業が終わった夜に来て、少しずつ進めていたんです。さすがに時間がかかり過ぎたので、最後は仲間が手伝ってくれましたが…。」
倉庫を改装して、ギャラリーカフェを作った。 |
2年がかりで作った空間は、木村さんのギャラリー兼カフェに。なるほどリフォーム業をする位ですから、木材加工はお手の物。それでこの個性的な額縁も生まれた訳ですが、中に飾る・入れるものにセンスを感じます。
金具を入れただけだが、配置が素敵だ。 |
「コーヒーを淹れますから、それまで良かったら2階も見て下さい。」
カフェなので、コーヒーを淹れて頂きます。 |
お言葉に甘えて、ちょっと急な階段を上って2階に行ってみます。
(2月21日のブログにつづく。)
(2月21日のブログにつづく。)
ちょっと急な階段の上には、更なる世界観が…。 |
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