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徳光 雅英
徳光 雅英Masahide Tokumitsu
with a camera in Nishiaizu Town 1
 『ゴジてれChu!』木曜恒例「ぶらカメ」のコーナーで、今回は西会津町に行ってきました。その取材・こぼれ話です。

さゆり公園は、ハナミズキが紅葉していた。
さゆり公園は、ハナミズキが紅葉していた。
 この日は台風14号の影響もあって、結構雨脚が強い日でした。さゆり公園に行ってみると、銅像が幾つも並んでいます。
 大木の下に佇む彫刻は、『生まれ出づるものを待つ人』。目の前に芽吹いた植物を待っていたのでしょう。その銅像に鮮やかな緑の彫刻!?

銅像の胸の右下あたりに、緑の彫刻?こっちが芽吹いたもの?
銅像の胸の右下あたりに、緑の彫刻?こっちが芽吹いたもの?
 ウマオイでしょうか。雨宿りしていたようです。
 それにしても、きょうのロケは1日雨でしょうか。傘をさしての写真撮影は結構大変なのです。今の気分を表すように、遠目にorz(頭を垂れて跪いている様にも見える事から、SNS等で「がっかり」等の意味で使われる)に見える像が…。

雨宿り中の虫でした。
雨宿り中の虫でした。
 近付いてみたら、陸上のトラックをバックに結構苦しそうな姿勢をとっていました。『戦士』というタイトルの像でした。ヨガでもやっていそうです。決して頭隠して尻隠さずの寓意ではないと思いますが…。

『戦士』。鍛えられた肉体でも、体勢は結構苦しそう?
『戦士』。鍛えられた肉体でも、体勢は結構苦しそう?
 雨よあがれ!と犬も叫んでいます。私も心の中で叫びます。タイトルは…

「わおーん!雨よあがるんだワン」と叫んでくれているのか…。
「わおーん!雨よあがるんだワン」と叫んでくれているのか…。
『菊千代~雨上がりの犬~』

 雨上がりの、って……今の私には皮肉なタイトルです。

…あ、雨があがった後の喜びの様子だったのね。
…あ、雨があがった後の喜びの様子だったのね。
 さすがに雨の公園には人もいないので、一旦町の中心部をぶらぶらしていると、傘をさして屈み込んでいる親子が…。

雨の歩道で何をしているのでしょう?
雨の歩道で何をしているのでしょう?
「チョークでお絵かきです。」
 聞けば1歳ちょっとの男の子。家でも元気で、雨でも外に出たがるので、縁石にチョークでお絵かきをしていたのだとか。

お絵かき中の1歳のお子さん。雨でも外遊びしたかったんだね。
お絵かき中の1歳のお子さん。雨でも外遊びしたかったんだね。
 色遣いが素敵です。これからどんどん上手になっていくね。

 同じ道沿いを歩いていると、「家具大売り出し」の幟が立つ店がありました。

雨でも外遊び出来て、良かったね♪風邪ひかないでね。
雨でも外遊び出来て、良かったね♪風邪ひかないでね。
 昭和10(1935)年創業の「タンス店」です。タンス店とは言っても、今どきの洋風の家具が幾つも並んでいます。
「創業祭で、セール中なんですよ。今年は新型コロナウイルスの影響で、少し遅くなっちゃったんですけどね。」

「タンス店」の中は、今どきの洋間に合う家具のセール中。
「タンス店」の中は、今どきの洋間に合う家具のセール中。
 ご主人の川口さんは三代目。個人経営の家具店って、少なくなりましたよね。でも「タンス店」なんですね。
「いや、昔は自分で箪笥を作って売っていましたから。」
 そう言って2階へ案内してくださいました。

三代目も箪笥作りの修業をしたという。
三代目も箪笥作りの修業をしたという。
 2階の売り場には、主に和室に合う座卓、そして奥には桐箪笥がありました。
「柾目(まさめ)って言って、目が真っすぐで細かいものを使ったんです。」
 しかも昔は店主=職人だったと言います。
「初代と父(二代目)は箪笥作りを修業してほかに職人も抱えて住まわせて、自分達で作ったものを売っていたんです。昔は娘が嫁入りする時に、桐箪笥とそれに入れる着物を持たせたものですから、需要はあったんです。」
 箪笥を自家制作して販売、だから「タンス店」なんですね。

2階には和室に合う家具や、桐箪笥が…。
2階には和室に合う家具や、桐箪笥が…。
 桐箪笥は、一つの引き出しを閉めると別の引き出しが押されるように出る位、作りも含め気密性の高いのが特徴なのはよく知られた話です。桐は湿気が多いと膨らむ性質があり、外の湿気を通さないから着物が守られるという訳です。

桐箪笥が好まれたのには、理由があった。
桐箪笥が好まれたのには、理由があった。
「しかも火事にも強いんですよ。箪笥自体は焦げますよ。周りは真っ黒になりますが、中の大事な着物は無事なんです。」
 桐は素材として燃えにくい(発火点が高い)特長があるそうです。良い着物は値が張りますから、昔の衣類の耐火金庫的な役割も兼ね備えていたんですね。

「仕舞うもの(着物)も一緒に嫁入りに持たせたものですよ。」
「仕舞うもの(着物)も一緒に嫁入りに持たせたものですよ。」
「昔は娘が生まれると桐を植えたものです。ま、実際には箪笥に出来る位に育つには4~50年かかるんですよ。ただ換金性が高かったんです。いざという時には桐を売れば金になったので、育てる家も結構あったんです。でも手入れが大変だし、根が浅いので、この前の東日本台風のような強い台風が来ると家に倒れ掛かったりして…。それで段々育てなくなったという事情もあります。」
 ここ数十年で生活様式ががらっと変わった、という事なのでしょう。

桐と日本人の暮らしは、深く関わっていた。
桐と日本人の暮らしは、深く関わっていた。
 お父さんの代までは箪笥職人でもあったならば、ご自宅の家具は?と尋ねると、見せて下さいました。

 店続きの客間には、立派な仏壇が。

桐箪笥職人の技は、仏壇にも活かされていた。
桐箪笥職人の技は、仏壇にも活かされていた。
 こちらはお父様と当時の職人が施した彫刻。扉には故事に因んだ物語が、それぞれ別の絵柄で彫られています。
「最近は仏壇も小さいものが増えましたよね。昔は大きい仏壇も多くて、職人が色々彫ったものです。」

物語や家紋など、匠の技を駆使した。
物語や家紋など、匠の技を駆使した。
 今は住宅事情もあって、様々なものがコンパクト化しています。職人が腕を揮う場も少なくなっていったのでしょう。
「最近は個人の家具店は少なくなりましたよね。家具店って、店側が家具を買って、置いておかなくてはならないので、スペースも要るんです。私は実際に家具を見て、触るなどして、大きさと家具を置く部屋の広さを比較して選ぶ、という体感が必要だと思うんです。うちは自分の店だからまだスペースを確保してやっていけますが、(借りて)賃料を払っている店は、新型コロナウイルスの影響で客足が落ちた事もあって、一層大変だと思います。」

こちらの彫刻も、職人が手彫りしたもの。
こちらの彫刻も、職人が手彫りしたもの。
 スペース確保の問題も、ネット販売等の加速に繋がっているようです。
「ただ桐箪笥もそうですが、良い家具は長持ちしますし、また長く使ってもらう為に修理も請け負います。それは高い買い物をして頂くお客様に対しての、店の責任だと思うんです。」
 それは箪笥職人が自ら作ったものを販売までしていた「タンス店」三代目としての矜持に感じました。

川口さん自身の使っている桐箪笥。
川口さん自身の使っている桐箪笥。
 こちらの店にはお隣の新潟県や町外の会津地域からもお客さんが来るそうです。確かに長年使えれば、1年当たりの価格は割に合うという事。長きに亙って使い込む家具を探すなら、店に行ってじっくり探すのも良いかも知れません(10月14日のブログにつづく)。


大感謝祭は14日まででしたが、寄ってみては?
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