つながろう ふくしま

創エネ×省エネ 体感!再生可能エネルギー

  • 2012年10月26日(放送)
  • 学んだ児童
    いわき市立小名浜第一小学校(5年生54人)
  • 学んだ場所
    いわき大王製紙
  • 教えてくれた人
    いわき大王製紙 安瀬賢一さん、大塚真治さん
    いわき明星大学 東之弘教授
    グリーン発電会津 齋藤大輔さん

福島は、森林資源にも恵まれている

今回の特別授業のテーマは、「バイオマス」です。発電や燃料、熱の形で利用されるバイオマスの原料になるものは、森林資源、農産物とその廃棄物、食品廃棄物など、たくさんありますが、その中でも一番多いのは、森林資源です。

福島県には、970万ヘクタールもの森林があって、この面積は全国都道府県でも4番目に広く、また農業も盛んです。つまりバイオマス資源にも恵まれているわけです。

小名浜第一小学校の5年生が訪ねたのは、同じいわき市内にある「いわき大王製紙」です。ここには県内一の規模を誇るバイオマス発電所があります。安瀬さんと大塚さんが、説明してくれました。

「いわき大王製紙」って、どんな所?

・関東、東北の古紙を最大限に利用して、段ボール原紙、新聞用紙を製造しています。新聞用紙は古紙100%で作られていて、毎日32ページある新聞200万部分の用紙を作っているそうです。

・古紙や廃材のリサイクルだけではなく、排水や排気ガスなどの環境対策にも力を入れているので、近くには住宅団地もあります。

・平成13年に、家を解体した時に出る廃材などを原料としたバイオマスボイラーを導入、20年にはさらに大規模な4号機を稼働させ、現在は工場内の90%の電気をまかなっています。

●2基のバイオマスボイラーで発電する電気
  約4万kw=8000世帯分の発電量

「バイオマス発電」って何?

バイオマス発電の原料となる家の廃材などは、大型のトラックで工場に運ばれてきます。
この日、子供たちが驚いたのは、その大型トラックごと持ち上げてしまう大きなリフト施設です。ここで、「バイオマス発電」の仕組みを学びました。


(解体した家の廃材)

(RPF=廃プラスチックなど)

いわき大王製紙のバイオマスボイラーで使われる燃料は、家を壊した時に出る廃材が60%を占めています。これにRPF(廃プラスチックや再利用しにくい古紙などを固めたもの)、ペーパースラッジ(紙の原料にならなかった繊維)、タイヤチップなどを混ぜて燃やしています。

●バイオマス発電の仕組みは、基本的には、火力発電所などと同じです。燃料に「石油」や「石炭」などの化石燃料を使う代わりに、木材や農業生産によってでる廃棄物、生ごみなど、いわゆる「生物資源」を使うのがバイオマス発電です。

生きた燃料とも呼ばれ、繰り返し使える「再生可能エネルギー」です。

「カーボンニュートラル」という考え方

「石油」や「石炭」、「天然ガス」などの「化石燃料」は、地下から掘り出して使うため、地下に閉じ込められていた炭素が、燃やすことで二酸化炭素となって放出され、大気中の二酸化炭素がどんどん増えてしまいます。

これに対して「バイオマス燃料」は、もともと地上にあるものです。燃える時に出る二酸化炭素は、植物が育つ時に光合成によって吸収されますから、バランスよく使えば、大気中の二酸化炭素は増えません。これが「カーボンニュートラル」という考え方です。
「いわき大王製紙」では、この「バイオマス発電」に変えてから、CO2排出量が85%も減ったそうです。

私も一緒に学んでいます! FCT大野智子アナウンサー

比べてみよう、再生可能エネルギーの実力

地熱、太陽光、風力、そしてバイオマス、これまで学んだ再生可能エネルギーの実力を、あらためて比べてみましょう。

いわき大王製紙のバイオマス発電は福島県内では最大、国内でも有数の大きなバイオマス発電施設です。それでも広野火力発電所の石油火力発電1基の約1/15の発電量です。いかに石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料が、強力なエネルギーを持っているかがわかります。

ここまでの特別授業で取り上げてきた再生可能エネルギー施設は、「太陽光(榛東ソーラーパーク)」、「バイオマス発電(いわき大王製紙)」、「地熱発電(柳津西山地熱発電所)」、「風力発電(郡山布引高原風力発電所)」、そのいずれも現在の日本では、最大クラスの実力派です。それでも、化石エネルギーと比べると、小さく見えてしまいます。

大きな発電所を集中して作るやり方から、たくさんの種類の小さな発電所をあちらこちらに作るやり方に変えていけば、この差は埋められるかもしれません。再生可能エネルギーは、地域にあった方法を選び、使う場所の近くで作るいわばエネルギーの地産地消に向いている方法でもあります。

福島県のバイオマス発電は、
福島県内では、新しいバイオマス発電所もできています。ことし7月から運用を始めているのが「グリーン発電会津」。発電所周辺の森林資源を有効に活用して、およそ5000kwの発電能力を持っています。
2006年から運転しているのは、「白河ウッドパワー大信発電所」です。こちらも地域で発生する木質資源を活用していて、11500kwの発電能力を持っています。