つながろう ふくしま

創エネ×省エネ 体感!再生可能エネルギー

  • 2012年10月12日(放送)
  • 学んだ児童
    猪苗代町立長瀬小学生(6年生18人)
  • 学んだ場所
    郡山布引高原風力発電所、長瀬小学校
  • 教えてくれた人
    いわき明星大学 東之弘教授、石川哲夫特任教授、大学生・大学院生のみなさん
    J-POWER風力事業室 高橋洋成さん、井出一久さん

福島は、「再生可能エネルギー」の宝庫

今回の特別授業の場所は、郡山布引高原風力発電所、国内最大クラスの風力発電所です。福島県には、この郡山布引高原風力発電所をはじめ、最近5年の間に大型の風力発電所が3か所運転を始めています。こうした再生可能エネルギーの実物を実際に目で見て体感できるところが福島県のいいところですね。

子供たちと訪れた9月上旬のこの日、布引高原の風力発電所は、ひまわりに彩られていました。

ここで風力発電について学んだのは、猪苗代湖をはさんで、遠くにこの風車を見ることができる猪苗代町立長瀬小学校の6年生です。

まず最初に、この風力発電所を作って運営しているJ-POWER風力事業室の高橋さんと井出さんが、郡山布引高原風力発電所の内容について説明してくれました。

郡山布引高原風力発電所って、どんな所?

  • 1基あたりの出力・・2,000(1,980)キロワット
  • 発電機の基数・・・・33 基
  • 発電機の製造者・・・ENERCON(ドイツ)
  • 風車中心の高さ・・・地上から64 メートル
  • 風車の翼の直径・・・71 メートル

遠くから見ると、あまり感じませんが、近くから見ると、風車を支えている柱の太さがわかります。J-POWERの高橋さんたちに案内されてすぐそばまで行ってみました。人の大きさと比べてみて下さい。

郡山布引高原風力発電所の発電量は、国内最大級

郡山布引高原風力発電所には、2,000kw級の大型風車が33基もあります。発電所の出力は65,980Kwと、国内で二番目ですが、安定して発電している風力発電所としては実質的に国内No.1の風力発電所です。年間およそ35,000世帯分の電気を作っています。

≪比べてみよう、再生可能エネルギーの実力≫

これまで、地熱、太陽光、風力などの再生可能エネルギーを学んできましたが、実際にどれぐらいの力があるのか、比べてみましょう。

メガソーラーと呼ばれる大規模な太陽光発電所でも、大きな規模の火力発電所(広野火力)と比べてみると、1/200〜1/300にしかなりません。国内最大規模の布引風力発電所でもすべて合わせて、火力発電1基の1/10程度の発電能力です。太陽光発電や風力発電は、天候、季節、時間帯によっては発電できないこともあるので、実際の発電力の差はもっと広がってしまいます。

自然の力を活用する再生可能エネルギーは、現在はまだ力不足です。解決しなければならない問題もたくさんあります。知恵と工夫で、どれだけ早く日本の主力エネルギーとすることができるのか、これからの取組みにかかっています。

布引高原は、布引大根でも有名です

郡山布引高原風力発電所がある布引高原は、標高およそ1000メートルの高原です。大根、キャベツなどの産地として有名です。子供たちが訪れた日は、ヒマワリのほかにソバの花も満開でした。2007年に営業運転が始まりましたが、現在も作物の生産が続いていて、また、初夏から秋にかけては大勢の観光客も訪れる場所になっています。

体験授業では人力で風を起こす風力発電の体験実験もありました

長瀬小学校に戻って、再生可能エネルギーのお勉強、児童たちは、色々な電気の作り方を体感しました。

風力発電とCO2削減

風力発電も、燃料が風なので、発電する時にCO2は出しません。風車を作る時や運ぶ時に発生する分を入れても、CO2の発生量は、一番多いとされる石炭火力発電の約2〜3%といわれています。

※発電方式の違いによるCO2発生量は、3時限目「太陽光」を参考にして下さい。

≪福島県の風力発電は、10万kwを超えた!≫

郡山布引高原風力発電所が営業運転を始めたのは2007年2月です。その後、滝根小白井ウインドファーム(46,000kw)が2010年12月に、桧山高原風力発電所(28,000kw)が2011年2月に運転を開始し、3つの大規模な風力発電所だけで、およそ14万kwの発電能力があります。

  • 郡山布引高原風力発電所 2007年2月
    出力:65,980kw
  • 滝根小白井ウインドファーム 2010年12月
    出力:46,000kw
  • 桧山高原風力発電所 2011年2月
    出力:28,000kw

*桧山高原風力発電所の風車は、30km以上離れた郡山市からも見える。それだけ大きいんだね。


(FCTから普通のデジカメで撮影)
日本でも、世界でも風力発電は、どんどん増えている

全国の風力発電もどんどん増えています。平成13年(2001年)から平成23年(2011年)までの10年間でも8倍以上の設備容量に増えています。

世界の風力発電も増えています。同じ2001〜2011年の10年間の増加量は約10倍です。日本と世界のグラフの単位に注目して下さい。日本を1とすると世界はおよそ100、世界でも風力発電の導入が進んでいて、ヨーロッパなどの先進地に加え、最近は中国でも増えているそうです。ちなみに2011年の世界の風力発電導入量は、23766万Kwですから、100万Kw級の大型原子炉230基分に相当します。ただし、風力発電は、自然の風に頼る部分が多いので、単純には比較できませんね。

注目を集める浮体式洋上風力発電

風力発電には、国内で適地が限られていることに加え、騒音や低周波音などの問題も指摘されています。そこで今、注目されているのが、風が安定して吹く沖合の海の上に風車を浮かべる方式「浮体式洋上風力発電」です。

長崎県の五島市沖では、環境省などが、今年から実際に風車を浮かべて実験を始めました。福島県のいわき沖でも、実験の準備が始まっています。

◆長崎県五島市沖の実証実験(環境省・洋上浮体式風力発電実証事業)

  • 一般の送電網につなぐ浮体式洋上風力発電施設としては国内初。
  • 設置場所:長崎県五島市沖海域
  • 出力  :100kW
  • 大きさ :全長71m(最深部から翼先端まで。海面上の高さ34m)
  • 重さ  :350トン
  • 2012年7月運用開始

環境への影響や、施設の動き、揺れ・発電状況などを観測し、1年後には2000KW級のさらに大きな風力発電機が設置されて実験が続く予定です。

◆いわき沖の実証実験(経済産業省・浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業)

浮体式洋上風力発電所の完成予想図(東京大学:石原孟教授提供)

2015年度までに3基の浮体式洋上風力発電を建設する実証研究

 ・2011年度〜2013年度 2000KWの風車1基を設置
 ・2014年度〜2015年度 7000KWの風車2基を設置

※7000KWの浮体式風力発電機は、風車の羽根1枚が80m、タワー部分が120mにもなる巨大な風車で、世界的にもほとんど前例のない実証実験です。

福島県沖は、地上よりも安定的に適度の風が吹き、また港の近くで作って船で運べば、地上では難しい大型の風車を設置することも可能になります。このため風車の製造・組み立て拠点、搬出する港など、地元に産業と雇用が生まれる期待もあります。
 一方で漁業との共存などの課題もあり、地域とよく話し合って進めていくことが求められています。