つながろう ふくしま

創エネ×省エネ 体感!再生可能エネルギー

  • 2012年8月30日 放送
  • 学んだ児童
    いわき市内の小学生(4〜6年児童100人)
  • 学んだ場所
    いわき明星大学
  • 教えてくれた人
    いわき明星大学 東之弘教授、安野拓也教授、大学生・大学院生のみなさん、県内の小中学校の理科の先生

特別授業は、まず「地球温暖化」の話から

東先生の2時限の授業は、「地球温暖化」の話から始まりました。

「地球温暖化」は、その原因とされる二酸化炭素(CO2)とエネルギーの問題と、とても深い関係があるからです。再生可能エネルギーがなぜ必要なのか、ということとも深く関わっているからです。

東先生が、「地球温暖化」という言葉を知っているかたずねたところ、小学生たちは、みんなが知っていました。すごい!自分たちの将来と関わる大事なことだものね。

「地球はだんだん暑くなっています」

(出典:IPCC、2007 資料:環境省、ストップTHE温暖化2012から転載)

地球の平均気温は、この100年で0.74℃高くなりました。1990年代の後半からは気温の高い年が増え、その上がり方は、どんどん速くなっています。地球が暖かくなる「温暖化」によって、世界中でいろいろな異常気象が起きています。

北極の氷が溶けて世界の海の水位が高くなっています。ヒマラヤなどの高い山でも氷河が溶けて、山の中に大きな湖ができてしまったところがあります。

日本でも、この100年で気温1℃高くなり、熱中症にかかる人が増えています。サクラが咲く時期もおじいさん、おばあさんが子供のころよりずっと早くなっています。

「なぜ地球は温暖化しているのでしょうか?」

(出典:気象庁)

地球を包んでいる大気の中には、「温室効果ガス」と呼ばれる二酸化炭素(CO2)などが、少しだけ含まれています。これが太陽から届いた熱が逃げるのを防ぎ、地球を生き物の生活に適した温度(平均14℃)に保っています。もし「温室効果ガス」がなかったら、地球の平均気温はマイナス19℃に下がり人は生きていけないほど寒くなると言われています。

今起きていることは、その逆のことです。二酸化炭素(CO2)などの「温室効果ガス」が急に増えて、地球の気温を上げているのです。電気を作るために石油や石炭を燃やしたり、自動車を走らせるためにガソリンを使ったりすることで、二酸化炭素(CO2)はどんどん増えて続けています。

もっと知りたい人は、ここで学んでね!「地球温暖化って何?」(チャレンジ25公式ページ)

★石油や石炭など化石燃料の話は、1時限目の授業を復習してね。

いわき明星大学には「燃料電池車」がある

この日の授業を受けたのは、県教育委員会の理科教室に応募したいわき市内の小学4年生から6年生までの100人です。場所はいわき明星大学、いわき明星大学といえば、「燃料電池車」の研究で有名です。県内でこのタイプの乗り物に乗れるのはここだけ。子供たちも楽しみにしていました。

2時限目のテーマ「燃料電池」について教えてくれたのは、安野拓也教授です。


いわき明星大学 安野拓也教授

燃料電池についての特別授業

安野先生は、いわき明星大学で研究している2種類のエコカーの仕組みについて話し、「燃料電池車」は走る時に出るのは水と熱だけ、二酸化炭素を"出さない"車。

「バイオディーゼル車」は排気ガスも二酸化炭素も出るけど、燃料を菜種油から作っているので、二酸化炭素を"増やさない"車だと説明しました。

"出さない"「燃料電池車」と、"増やさない"「バイオディーゼル車」


燃料電池車

「燃料電池車」は、燃料は水素です。

走る時に出るのは、水と熱だけで、二酸化炭素(CO2)は全く出しません。


バイオディーゼル車

バイオディーゼル車」の燃料は、植物などから採れる油を加工したものです。

いわき明星大学では、菜の花を育てて、そこから採れる菜種油を使っています。

走る時には、排気ガスも二酸化炭素(CO2)も出ますが、植物は育つ時にCO2を吸収するので、結果的にはCO2は増えないとされています。(*カーボンニュートラルという考え方)


出した分のCO2を植物が吸収する

いわき市で育てられた菜種

「燃料電池」って何?

(出典:いわき明星大学・安野拓也教授)

「燃料電池」は、水素と空気中にある酸素を反応させて、電気を生み出す装置です。できるのは、電気と水と熱だけです。

「電池」というと電気を貯めておくものと思いがちですが、「燃料電池」は自分で電気を作る小さな発電所なんです。


燃料電池の本体 いわき明星大提供

燃料電池車の燃料は水素ガス

ただし、まだとても高価です。いわき明星大学のバギー車に積み込まれた燃料電池は、1500万円もしたそうです。燃料の水素は3リットルのボンベですが、1リットル当たり230キロも走るそうです。

試乗会とエネルギーの体験教室

この日、小学生たちが楽しみにしていたのは、ふたつのエコカーの試乗会です。

全員が大学内の駐車場に作られた特設コースで試乗体験。ここでしか経験できない新エコカーの乗り心地を確かめていました。

教室の中では、暖かい手のひらと冷たい氷との温度の差によって電気を作る温度差発電や、水から水素を作る実験なども体験しました。

電気はいろいろな方法で作ることができることや、人の力だけで電気を生み出すことの大変さも学んでいました。

この日は、福島県内の小中学校の理科の先生も子供たちの指導役になりました。

再生可能エネルギーや新エネルギーは、先生たちにとってもまだ経験の少ない分野です。子供たちの反応を見ながら、先生たちもまた一緒に学んでいるようでした。

「燃料電池」は、新エネルギー

※「燃料電池」は、再生可能エネルギーではなく、新エネルギーに分類されています。

水素を燃料とする「燃料電池」は、燃料電池自動車(FCV)などでの利用が見込まれ、将来的には、エネルギー対策、地球温暖化対策などでとても期待されています。水素は海水などに豊富に含まれていますが、水素を取り出すときにエネルギーが必要です。再生可能エネルギーを利用して効率的に水素を作りだす技術や社会基盤の整備も今後の課題です。