つながろう ふくしま 猪苗代湖 環境保全活動

『猪苗代湖をきれいにしよう』プロジェクト

◆「ヒシ刈り体験」に参加してきました。

9月29日(土)に、猪苗代湖の白鳥浜で行われた「ヒシ刈り体験」に、FCTスタッフもボランティアで参加してきました。

●2012年9月27日(土)9:00~11:30

●場所:猪苗代湖・白鳥浜


ヒシは湖や沼に普通に育つ1年生の浮葉植物です。水面に放射状に葉を広げて育ち、比較的汚れや水位の変動にも強いため、場所によっては水面を覆い尽くすように繁茂します。

猪苗代湖でも、このヒシが最近、急に増えてきています。比較的汚れにも強いため、昔からあったコウホネやアサザなどの生息域を脅かしているというのです。

この日の「ヒシ刈り体験」は、県水・大気環境課が主催したものですが、実は、2年ほど前から、地元の保護団体「猪苗代湖の自然を守る会」が、ヒシを取り除く作業に取り組んでいます。今年も8月から湖の北側の浅瀬で定期的にヒシの除去作業を行っていて、この日も、全面的にサポートしてくれました。

【猪苗代湖の自然を守る会によるヒジ除去作業】

実施期間(8月23日~9月29日:計6回)

*環境省、県、猪苗代町、会津若松市、郡山市、国立磐梯青少年交流の家、ライオンズクラブ、東京電力などのご協力で実施。

・参加人員 のべ180名

・除去数量 1322箱(コンテナ換算)

さて、いよいよ初めてのヒシ刈り体験です。
胸まである胴長ブーツを身に着け、湖の中に入ります。今回の体験場所は、水田地帯を流れる用水路が湖に流れ込む河口のためか、ドロが堆積していて、けっこうぬかるんでいました。
注意して歩かないと足を取られてしまいそうです。


(アサザを取り巻くヒシの群生)

猪苗代湖の北岸は、遠浅です。
湖に足を踏み入れて歩きだしてみると、なかなか深くなりません。そしてずっと先まで、ヒシに覆われていることにあらためて気付かされます。

ところどころにコウホネやアサザが花を咲かせていましたが、その周りをヒシがすっかり取り囲んでいました。


(コオホネの花)

(アサザの花)

作業開始です。湖水に手を入れ、株をすくいあげてみると、水の抵抗はあるものの、意外に簡単に引き上げることができます。水底の根は、あまり強くはないようです。

葉を裏返してみると、茎の途中が長楕円形に膨らんで浮き袋の役目を果たしている様子がわかります。また左右にとがった突起のある実も育っていました。

「菱形」というのは、このヒシに由来するそうですが、葉も実も、確かに菱形のような形をしています。その実は気をつけないと、とげのような突起がゴム手袋を突き抜けてチクッとした痛みを感じるほど、硬くてとがっているんです。

ただしこの実は食べることができます。昔は、けっこう食べる人も多かったそうで猪苗代町では、その活用法も色々と試みられています。


(葉を広げたヒシ)

(ヒシの実)

作業を続けます。
周りからかき集めようとすると、その先の株がどんどん引き寄せられてきます。四方八方につながっているんです。水面に浮かんで横方向に繁殖する力は相当なものがありそうです。

ひとつのカゴは、思ったより早くいっぱいになってしまいます。ただ、水を含んでいるため、カゴごと持ち上げようとすると、かなりの力がいります。集めてカゴに入れることよりも、ぬかるむ中を歩いて、運び出す作業の方がよほど大変です。

この日の作業は、午前中のおよそ2時間、猪苗代湖の自然を守る会の人たちと一般のボランティアをあわせて総勢31人が参加しましたが、回収したヒシは、コンテナ箱で157箱分になりました。

たくさん回収したつもりでも、きれいになった面積は、そんなに広くはありませんでした。それだけ、猪苗代湖が広いということなのか、ヒシが勢力を拡大しているということなのか…。

ヒシは、放っておいても、10月に入るとほとんど姿が見えなくなります。どうなるのでしょうか…、種(実)だけ残して、茎や葉の部分は腐って水に溶けてしまうんだそうです。問題は、その時、夏の間に吸収した栄養分、湖からみれば汚れ成分を全部、湖に戻してしまうということです。

つまり、放っておけば、①在来のアサザやコウホネなどの植物の生息範囲を浸食し、②種が拡散してさらに生息範囲を広げ、③湖の汚れを加速する、ということになります。
だから、人の手によるこうしたヒシ刈りが行われているわけです。

この日回収されたヒシは、湖畔に設けられた「湖菜園」などに運ばれて堆肥にされ、来年の畑の肥料として利用されることになっています。

猪苗代湖の自然を守る会のメンバーなどが、ここ数年、ヒシの堆肥を畑で使ってみたところ、野菜がよく育つことがわかってきました。畑の土にとっては栄養分豊富な肥料となるようです。