2022.11.10
with a camera in Kagamiishi Town 3-3
「ぶらカメ」鏡石町篇3巡目その3です。
3巡目その1「朝から町を彩る人々 & タクシー運転手が“ちょんまげ” にする深イイ話」はこちらをクリック。
3巡目その2「60年以上続く人気の卵問屋」は、こちらをクリック。
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幸田鶏卵店を失礼したあと、勧められた店「ボナール」へと向かう途中、通り過ぎた家からこちらを見ている人がいます。
「やっぱり徳光さんですか。」
家の中でカメラを持ってぶらぶらしている私を見かけて、出て来て下さったそうです。
「やっぱり徳光さんですか。」
家の中でカメラを持ってぶらぶらしている私を見かけて、出て来て下さったそうです。
こちらを見つめる男性。「やっぱり…。」 |
素敵なログハウス調の家の住人だった。 |
「ゴジてれの徳光さんだよ。」
「いやだ、こんな格好で…。」
我々を招き入れて下さったご主人、カメラが回っている事に恥ずかしがる奥様、大抵こういうシチュエーションで身だしなみなどを気にするのは淑女の皆様ですね(^-^;
「いやだ、こんな格好で…。」
我々を招き入れて下さったご主人、カメラが回っている事に恥ずかしがる奥様、大抵こういうシチュエーションで身だしなみなどを気にするのは淑女の皆様ですね(^-^;
ウッディーな家に、素敵なご夫婦。 |
奥の戸が玄関ドア。素敵な居間だが実は… |
16年前に建てたという家は、震災にもびくともしなかったログハウス。ご主人の意向で薪ストーブの家にしました。
「薪ストーブは一度暖まると、家の中の温度が下がらないんですよ。暑いくらい。」
と奥様が仰れば
「部屋干しの洗濯物も、からっと乾くし匂いもしない。温度を下げたい時は、窓を開けます。」
とご主人。
部屋の設えは勿論、キッチンも素敵ですが、お二人から意外な言葉が。
「ここでレストランをやっていたんです。」
「薪ストーブは一度暖まると、家の中の温度が下がらないんですよ。暑いくらい。」
と奥様が仰れば
「部屋干しの洗濯物も、からっと乾くし匂いもしない。温度を下げたい時は、窓を開けます。」
とご主人。
部屋の設えは勿論、キッチンも素敵ですが、お二人から意外な言葉が。
「ここでレストランをやっていたんです。」
キッチンにあるテーブルを挟んで座るお二人。 |
薪ストーブで暖めると、室温がなかなか下がらないそう。 |
何とこちらの御宅では、「チムニー」という店名でパスタなどをお客さんに出していたというのです。作るのはご主人の仕事。
「私は以前、郡山駅の『トライアングル』という店で働いていたんです。」
トライアングルとはJRが仙台駅に作ったイタリア料理店で、嘗ては福島駅や郡山駅にもありました。スープパスタが人気のお店でしたが、そこでパスタを作っていたというのです。今県内のトライアングルはなくなりましたが、あのスープパスタを作っていらした方とは! 私もよく食べました。
「私は以前、郡山駅の『トライアングル』という店で働いていたんです。」
トライアングルとはJRが仙台駅に作ったイタリア料理店で、嘗ては福島駅や郡山駅にもありました。スープパスタが人気のお店でしたが、そこでパスタを作っていたというのです。今県内のトライアングルはなくなりましたが、あのスープパスタを作っていらした方とは! 私もよく食べました。
薪をくべるご主人。 |
空気を入れると、炎が上がった。 |
元国鉄職員だったご主人は、改札担当でした。今は自動改札が多くなりましたが、嘗ては切符に鋏を入れたり、降りた客の切符を回収する係の職員が改札にいました。私の小さい頃も、最寄り駅で鋏をリズミカルに鳴らしながら、乗客が入場する時に切符に鋏を入れたものです。
JR(旧国鉄)職員だったご主人。 |
奥様は鏡石に来る際に、初めて鉄道に乗ったそう。 |
その後、ご主人の故郷鏡石に戻って自宅レストランを8年切り盛りしました。ご主人は「これまで妻に苦労もかけたので、そろそろ二人でゆっくり過ごそうかと」店を閉め、悠々自適の生活をお過ごしです。
そんなご主人の好きなものが車。
そんなご主人の好きなものが車。
今は悠々自適のお二人。 |
ストーブの後ろの壁には、ハンドルや車の写真が…。 |
「最後に買った車です。」
それはオープンカーにもなる車でした。
「天気の良い日にこうやって走りたいので、この車にしました。」
最近は新型コロナの影響で日帰りが多いそうですが、以前はこの車でご夫婦で泊りがけの旅行に行ったそうです。
それはオープンカーにもなる車でした。
「天気の良い日にこうやって走りたいので、この車にしました。」
最近は新型コロナの影響で日帰りが多いそうですが、以前はこの車でご夫婦で泊りがけの旅行に行ったそうです。
屋根部分の開く車に乗るご主人。 |
陽光を浴びて、ご満悦⁉ |
ご夫婦揃って赤のチェックがお似合いです。いつまでもお元気で。早く新型コロナに気兼ねなくドライブに行けるようになると好いですね。
絵になる二人、絵になる家と車…。 |
いつまでもお元気で! |
さて卵の店で勧められた店へ再度向かいます。暫く歩くと、ありました「焼菓子の店 ボナール」。ここです。
中に入ると正面にケーキの入ったショーケースがあります。
中に入ると正面にケーキの入ったショーケースがあります。
こちらが今年開店した「ボナール」。 |
入ってすぐの所に、ケーキが…。 |
右手には主に焼菓子のコーナー、左手にはイートインスペースもあります。
店内右手には焼菓子が… |
左手にはイートインも… |
パティシエの御主人に取材をお願いすると、
「店内外の撮影や、食べるところを撮るのは構いませんが、ケーキ作りが忙しいのでインタビューはちょっと…。」
急なお願いですものね。それでも撮影OKは有難い対応です。
販売担当の奥様が、代わって対応して下さいました。
「カヌレが美味しいと聞いてきたのですが…。」
すると奥様、言いにくそうに
「実は来週で販売をやめるのですが、テレビで紹介するのは大丈夫ですか?」
「店内外の撮影や、食べるところを撮るのは構いませんが、ケーキ作りが忙しいのでインタビューはちょっと…。」
急なお願いですものね。それでも撮影OKは有難い対応です。
販売担当の奥様が、代わって対応して下さいました。
「カヌレが美味しいと聞いてきたのですが…。」
すると奥様、言いにくそうに
「実は来週で販売をやめるのですが、テレビで紹介するのは大丈夫ですか?」
ご主人がお忙しい中、インタビュー以外ならと仰って下さった。 |
代わりに奥様が対応。 |
何と! カヌレは仕込みから焼き上がりまで2日がかりの手間のかかるケーキなので週末金・土限定販売をしていたそうですが、それも今度の11・12日を最後とするそうなのです。幸い放送が10日で、それを見た方も買いに行けるのでOKです。
コーヒーを作りながら、店に関する話を伺います。
コーヒーを作りながら、店に関する話を伺います。
11月12日で終了予定。ボナールの”幻?の”カヌレ。 |
淹れたてコーヒーも飲む事が出来る。 |
お二人は県内出身で、元同級生。ご主人は高校時代から「卒業したら東京でパティシエになる」と言っていて、奥様は関東で販売系の仕事と、別々の仕事をしていたそうです。ところが或る時、ご主人から奥様に連絡がきたというのです。その理由が、
「私が苦しむ夢を見たから、と言うんです。」
「私が苦しむ夢を見たから、と言うんです。」
高校卒業後は別々の道を歩んだ二人… |
ご主人から突然連絡が…。 |
心配したご主人が奥様の連絡先を探し、久しぶりの再会、それを機に意気投合。そしていずれ福島県に帰るつもりだったパティシエの御主人、自分の店を持って販売の仕事をしたかった奥様、「だったら2人でケーキ屋さんをやってみようか」と考えるようになったそうです。
ご主人の夢が結んだ縁。 |
思い出話を伺う内に、コーヒーも出来上がる⁉ |
その後、福島県にお店を開くのに好い物件は無いか、白河から郡山まで探しますが、どうしても見つかりません。関東から引っ越さなければならない期限ぎりぎりの時、たまたま現在の店舗が“空き”になったそうです。
「導かれるように、鏡石に来ました。」
「導かれるように、鏡石に来ました。」
タイムリミット直前に、現在の店舗の空きを見つける。 |
鏡石町にも縁があったのだろう。 |
そして今年の春に店をオープン。
「店名の『ボナール』はフランス語で『幸せ』を意味します。ここのお菓子を食べた方が幸せになれますように、という意味を込めています。また感謝の意味を込める意味で、3月9日(サンキューの日)に店をオープンしました。」
「店名の『ボナール』はフランス語で『幸せ』を意味します。ここのお菓子を食べた方が幸せになれますように、という意味を込めています。また感謝の意味を込める意味で、3月9日(サンキューの日)に店をオープンしました。」
ボナールは、鏡石駅から徒歩5分ほど。 |
店名には「皆さんに幸せを」の思いが…。絵が似ている。 |
鏡石に来てみて感じた事を伺うと、
「皆さん本当に親切で、大丈夫か、困っている事は無いか気にかけてくださるんです。」
と、来たことを本当に喜んでいる様子。
そんな話を伺っていると、カヌレ好きのお客さんがやってきました。
「東京や関東のカヌレを食べていますが、ここのが一番美味しいと思います。よく外がかりっ、中がとろっとか言いますが、ここのは外もしっとりしていて、美味しいんです。」
「皆さん本当に親切で、大丈夫か、困っている事は無いか気にかけてくださるんです。」
と、来たことを本当に喜んでいる様子。
そんな話を伺っていると、カヌレ好きのお客さんがやってきました。
「東京や関東のカヌレを食べていますが、ここのが一番美味しいと思います。よく外がかりっ、中がとろっとか言いますが、ここのは外もしっとりしていて、美味しいんです。」
焼菓子の表情にも、作り手の気持ちが出るという(穏やかな気持ちだったようです)。 |
ボナールのカヌレが大好きというお客さん。 |
今回は今週末で販売を終了する予定のカヌレと、お勧めの一つ「りんごロール」、モカブレンドとともに頂きます。
確かにカヌレは外がしっとりしつつも歯応えがある香ばしさ、中はしっとり黄身の香りが広がります。
りんごロールは、スポンジのチョコの香りと味わい、そこにしっかりとした甘さと爽やかな酸味のリンゴが合わさり、外のキャラメルと相性良く口の中で混じり合います。
確かにカヌレは外がしっとりしつつも歯応えがある香ばしさ、中はしっとり黄身の香りが広がります。
りんごロールは、スポンジのチョコの香りと味わい、そこにしっかりとした甘さと爽やかな酸味のリンゴが合わさり、外のキャラメルと相性良く口の中で混じり合います。
このあとカヌレ好きのお客さんが、ごそっと買って行った。 |
季節限定の「りんごロール」。 |
お昼前にパティシエの御主人に話が聞けないか奥さんに伺うと、ご主人が出て来てくださいました。
「地域密着。地域に愛される店にしたいですね。そして私が亡くなったあと、『ボナールって美味しいケーキ屋さんがあったな』と覚えてもらえる店にしたいです。」
「地域密着。地域に愛される店にしたいですね。そして私が亡くなったあと、『ボナールって美味しいケーキ屋さんがあったな』と覚えてもらえる店にしたいです。」
空いた時間で、インタビュー。 |
ご主人の想いを語る。 |
本当は「テレビの取材が来たら、断ろうと話していた。」と話す二人。
「普通は事前に電話で連絡とかあるじゃないですか、でも今回は突然だったので…。」
と不意打ちの訪問に断り切れず、何となくOKを出して下さったのでした。突然の訪問に、ご対応有難う御座いました。
「普通は事前に電話で連絡とかあるじゃないですか、でも今回は突然だったので…。」
と不意打ちの訪問に断り切れず、何となくOKを出して下さったのでした。突然の訪問に、ご対応有難う御座いました。
本当はテレビ取材はNGだそう。 |
これからも店とお客様にボナール(幸福)を…。 |
牧場の朝の町をぶらぶらしてみて、町をよくする為に汗する町民がいて、また良いもの・サービスを提供しようと言う職人肌の方に多く出会ったという印象です。誰かの為に働く人の集まる町、鏡石町はそんな人の温もりに触れられる町でした。
地元を良くしようという皆さんに出会えた。 |
地元に精通し、困っている人に手を差し伸べる…。 |
次回はこの週末に河岸アナが二本松市にお邪魔します。どうぞ宜しくお願い致します。
ここの卵を使う飲食店・旅館も多いそう。 |
ご主人のパスタを食べてみたかった…。 |
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