2021.11.25
with a camera in Ishikawa Town 3
「ぶらカメ」石川町篇その3です。
その1「歴史ある神社と紅葉・徳光 第二の人生を考えさせられる」はこちらをクリック
その2「山葡萄の編み組み細工を売っている瀬戸物店!?」はこちらをクリック。
「ぶらカメ」のコーナーの最後には、放送で次に向かう市町村を発表します。その男性は2日前の放送でしなだマンが
「この週末は徳光アナが石川町にお邪魔します。」
と言っていたのを見ていて下さっていて、私らのロケ風景を見かけ声をかけて下さったのです。
「石川町に来るって言っていたので、来たら見て欲しい所があるんですよ。いま私たちが作った公園の整備をしているんです。ご案内します。」
その男性は普段は農業をしていて、その合間に“公園”の整備をしているんだとか。“公園”を“作って”しかも自分達で“整備”している…分かるような分からないような話だったのですが、案内して頂く事に。
その1「歴史ある神社と紅葉・徳光 第二の人生を考えさせられる」はこちらをクリック
その2「山葡萄の編み組み細工を売っている瀬戸物店!?」はこちらをクリック。
「ぶらカメ」のコーナーの最後には、放送で次に向かう市町村を発表します。その男性は2日前の放送でしなだマンが
「この週末は徳光アナが石川町にお邪魔します。」
と言っていたのを見ていて下さっていて、私らのロケ風景を見かけ声をかけて下さったのです。
「石川町に来るって言っていたので、来たら見て欲しい所があるんですよ。いま私たちが作った公園の整備をしているんです。ご案内します。」
その男性は普段は農業をしていて、その合間に“公園”の整備をしているんだとか。“公園”を“作って”しかも自分達で“整備”している…分かるような分からないような話だったのですが、案内して頂く事に。
「石川町に来たら、見て欲しい所がある」と仰る男性。そこは公園だそう。 |
男性の車についていく事に…。 |
町中から車で10分足らず、道沿いに「桃源の里公園」と書かれた看板が見えます。
狭い急坂を上っていくと、
「ここがそうです。」
園内の地図を見せてくれます。
「ここでは5月頃に水芭蕉、秋はドウダンツツジ、春はレンギョウ、花桃、6月にはアヤメ、こういった花々が楽しめる場所なんです。これ、我々が開拓したんです。この先、いまからご案内します。」
狭い急坂を上っていくと、
「ここがそうです。」
園内の地図を見せてくれます。
「ここでは5月頃に水芭蕉、秋はドウダンツツジ、春はレンギョウ、花桃、6月にはアヤメ、こういった花々が楽しめる場所なんです。これ、我々が開拓したんです。この先、いまからご案内します。」
どうやらここが公園の入口らしい。 |
地図の前で、公園の魅力を誇らしげに語る。 |
そこは現在3人の個人が持っている山を借り受け、色々な花を植えていったというのです。その発起人がいま案内してくださっている男性で、いまは5人の有志で公園を維持管理しているとの事です。
「元はただの山だったんだけど、花で豊かにして石川町自慢の場所を作りたいって話をしたら、色々協力してくれる人が出て来て…。」
山を貸してくれる人、重機を提供してくれる人、お手伝いをしてくれる人、様々です。
「元はただの山だったんだけど、花で豊かにして石川町自慢の場所を作りたいって話をしたら、色々協力してくれる人が出て来て…。」
山を貸してくれる人、重機を提供してくれる人、お手伝いをしてくれる人、様々です。
以前の「桃源の里公園」。花を植える為に山を”開拓”をしていった。 |
このために重機を貸してくれる人もいたと言う。 |
この階段も、有志の皆さんで整備したとの事。
「秋は紅葉が綺麗でしょ?これ植えていったんです。」
そして更に下ると、段々畑のような所が出て来ました。
「秋は紅葉が綺麗でしょ?これ植えていったんです。」
そして更に下ると、段々畑のような所が出て来ました。
階段も、手作りだと言う。 |
この時期は紅葉が見事だ。 |
「ここで水芭蕉が咲くんです。」
それは隣県から手に入れた水芭蕉を、休耕田を使って見事“群生地”にしたのです。
「こんな山の中で、昔は水田にして稲を育てていたんです。でもその内田んぼを使わなくなっていったのね。それで水芭蕉って、湿地が向いているのね。だからこの田んぼを使って育ててみたんです。」
確かにあぜ道は水を含んでふかふかなので、人が歩けるようマットを敷く等して整備しました。
それは隣県から手に入れた水芭蕉を、休耕田を使って見事“群生地”にしたのです。
「こんな山の中で、昔は水田にして稲を育てていたんです。でもその内田んぼを使わなくなっていったのね。それで水芭蕉って、湿地が向いているのね。だからこの田んぼを使って育ててみたんです。」
確かにあぜ道は水を含んでふかふかなので、人が歩けるようマットを敷く等して整備しました。
こちらが水芭蕉の”群生地”。来年咲く水芭蕉が顔を出している。 |
使われなくなった棚田に、水芭蕉を植えていった。 |
「しかも夏はここに蛍が飛ぶんです。」
こちらの男性は蛍の幼虫を100匹買い付けて、この側溝に放したところ、現在は30匹ほどが成虫になったのだとか。
こちらの男性は蛍の幼虫を100匹買い付けて、この側溝に放したところ、現在は30匹ほどが成虫になったのだとか。
この辺りで、蛍が飛ぶそう。 |
蛍の幼虫を放した時の写真(男性提供)。 |
「成功ですね。交尾をしていたから、来年も蛍が飛ぶと思います。ほら、これカワニナ。蛍の幼虫の餌になる貝。」
元が水田だっただけに、お盆のように窪んだ山の中の湿地は水が豊かです。しかも餌の貝もいて、生育環境としては向いているのでしょう。それにしても石川町で水芭蕉が見られるとは、驚きです。
元が水田だっただけに、お盆のように窪んだ山の中の湿地は水が豊かです。しかも餌の貝もいて、生育環境としては向いているのでしょう。それにしても石川町で水芭蕉が見られるとは、驚きです。
水が流れているところに、カワニナがいた。 |
手作り看板が素敵。 |
ここまでするのに辛かった事は何かと伺うと、
「無理だと思われた事。」
と一言。
「こんな何もない山の中に花をいっぱい咲かせるだなんて、馬鹿じゃないかって…。」
恐らく山を切り拓く等の肉体的苦労等もあったでしょうに、一番辛かったのは夢に向かう姿を否定された事だったのです。しかし知人などに夢を話すと協力者は増えていき、今では多くの花や植物が色とりどりに四季を教えてくれます。
「無理だと思われた事。」
と一言。
「こんな何もない山の中に花をいっぱい咲かせるだなんて、馬鹿じゃないかって…。」
恐らく山を切り拓く等の肉体的苦労等もあったでしょうに、一番辛かったのは夢に向かう姿を否定された事だったのです。しかし知人などに夢を話すと協力者は増えていき、今では多くの花や植物が色とりどりに四季を教えてくれます。
辛かったのは、夢を無理だと思われた事だと語る。 |
紅葉だけでも、見応えがある。この紅葉の木も植えたもの。 |
戻るように水芭蕉の群生地から少しのぼった所には、春は花桃にレンギョウ、菜の花が綺麗な畑に出ます。近くでは花桃の苗を育てていますが、
「欲しいって人には、苗をただであげるの。」
買えば千円以上はする苗を、お裾分けするのだそう。
「やっぱり気持ちですよ。この公園の花を見て、『うちでも育ててみたい』って言ってくれるんだもの。だったらどうぞって。」
更に出発地点に戻る別ルートの石段も、
「工事現場で『投げる』(=捨てる)っていった石をもらってきて、この道を作ったの。」
事情を話したら、工事現場の人たちも石を分けてくれたそうです。両脇のツツジはご自身で段々になるよう高さを揃えたばかり。
「欲しいって人には、苗をただであげるの。」
買えば千円以上はする苗を、お裾分けするのだそう。
「やっぱり気持ちですよ。この公園の花を見て、『うちでも育ててみたい』って言ってくれるんだもの。だったらどうぞって。」
更に出発地点に戻る別ルートの石段も、
「工事現場で『投げる』(=捨てる)っていった石をもらってきて、この道を作ったの。」
事情を話したら、工事現場の人たちも石を分けてくれたそうです。両脇のツツジはご自身で段々になるよう高さを揃えたばかり。
欲しい人には、苗をあげる事も…。 |
石段も男性の手作り、両脇のツツジは綺麗に刈り揃えてあった。 |
そして途中には一本、細い”紅葉”の木が生え始めていました。
「これは種がこぼれて、自然と咲いているの。これを植え替えて、また育ててやるの。そうするとお金をかけずに、増えていく…。」
そんな風景を想像すると、福島市の桃源郷、花見山公園を思い出します。
(※花見山公園…花木農家が、畑を無料で一般公開している場所。そこは写真家の故秋山庄太郎氏が「福島に桃源郷あり」と紹介した事から一気に有名になった。)
そうか、だから「桃源の里公園」という名前がしっくりくるのか…と納得。そこで
「モデルにした場所はあるのですか?」
と伺うと、
「花見山(公園)ですね。あそこも本当に素晴らしい。あれが出来るなら、石川町にも自分達で出来るのでは?と思ったんです。」
素晴らしいまでは分かるんですが、そこから「自分達で出来る」と思えるかどうかが、凡人とそうでない人の違いなのでしょう。
「これは種がこぼれて、自然と咲いているの。これを植え替えて、また育ててやるの。そうするとお金をかけずに、増えていく…。」
そんな風景を想像すると、福島市の桃源郷、花見山公園を思い出します。
(※花見山公園…花木農家が、畑を無料で一般公開している場所。そこは写真家の故秋山庄太郎氏が「福島に桃源郷あり」と紹介した事から一気に有名になった。)
そうか、だから「桃源の里公園」という名前がしっくりくるのか…と納得。そこで
「モデルにした場所はあるのですか?」
と伺うと、
「花見山(公園)ですね。あそこも本当に素晴らしい。あれが出来るなら、石川町にも自分達で出来るのでは?と思ったんです。」
素晴らしいまでは分かるんですが、そこから「自分達で出来る」と思えるかどうかが、凡人とそうでない人の違いなのでしょう。
枯れた?木の幹から、1本すくっと紅葉する木が生えている。 |
石川町にはこんな素敵な公園がある、そんな自慢の場所を故郷に作りたかったと話す。 |
因みに見頃の時の写真がこちら。まさに石川町の「桃源の里」です。
「只見町から来る人もいるんだから。」
「只見町から来る人もいるんだから。」
春の明るい色が、気分まで明るくしてくれる。 |
濃い赤からピンク、黄色と対比も美しい(両方とも写真は男性提供)。 |
只見町とは新潟県境に位置する会津地域の町です。只見町も自然豊かな所ですが、それでもわざわざ魅了されに来る人がいるのです。
手作りの展望台(看板後ろ)も見える。 |
下から展望台方向を見た写真(左中ほどに展望台が見える。どちらも写真は男性提供)。 |
春と秋、全く風景は違いますが、それぞれの魅力が溢れています。
階段からの景色。こちらが秋(ロケ時)。 |
春はこんな感じ(男性提供写真)。 |
公園の入口近くには、休憩所があります。
「これも自分で作ったの。屋根に降った雨水は、樋を伝ってタンクに貯めて、夏場の水やりに使っているんです。」
どこまで器用な方なのか…。
近くには「希望の鐘」があります。鳴らすと、結構大きな音がします。
「これも自分で作ったの。屋根に降った雨水は、樋を伝ってタンクに貯めて、夏場の水やりに使っているんです。」
どこまで器用な方なのか…。
近くには「希望の鐘」があります。鳴らすと、結構大きな音がします。
休憩所も男性手作り。右端に雨水を貯める水色のタンクも見える。 |
右に「希望の鐘」。左には小さな鐘も…。 |
すると一緒にいた女性が、
「これね、よく響くから、用事がある時鳴らすの。そうすると下にいても聞こえるから…。」
色んな用途があるようです…。こちらの女性も、この公園を整備している有志(ボランティア)の一人。どうしてそこまでするのか伺うと、
「この山が好きだから。」
やはり大事なのは“気持ち”なんですね。尚こちらの女性が、我々が訪れる前に前述した水芭蕉の群生地の雑草を綺麗に抜いてきた方だそうです。
「ここにも鐘があるのよ。」
「これね、よく響くから、用事がある時鳴らすの。そうすると下にいても聞こえるから…。」
色んな用途があるようです…。こちらの女性も、この公園を整備している有志(ボランティア)の一人。どうしてそこまでするのか伺うと、
「この山が好きだから。」
やはり大事なのは“気持ち”なんですね。尚こちらの女性が、我々が訪れる前に前述した水芭蕉の群生地の雑草を綺麗に抜いてきた方だそうです。
「ここにも鐘があるのよ。」
整備を手伝うのは「この山が好きだから」と話す。 |
まめに雑草などを抜いていく。 |
わはは…風鈴ですね。この小さな“鐘”が下がっているのは、モッコウバラのアーチの所です。見つけたら鳴らしてみましょう。
現在は5人で整備しているこの公園、入場料などはかかりませんが、手弁当で整備している為に募金をお願いしていました。
現在は5人で整備しているこの公園、入場料などはかかりませんが、手弁当で整備している為に募金をお願いしていました。
「鐘」という名の風鈴? 風が吹くのを知らせてくれる。 |
これからもお元気で、素敵な公園を整備してください。 |
「特に春は見事ですから、桜に花桃にレンギョウに…是非来てください。」
春にまた、ぜひ伺いたい所です。(つづく)
つづきの「自由民権運動を身近に感じるスポット・ボリューム満点の喫茶店」は、こちらをクリック。
春にまた、ぜひ伺いたい所です。(つづく)
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この看板が目印。 |
最初に男性が紹介した地図の所も、春は花で溢れる(写真は男性提供)。 |
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