アナウンサー

アナウンサー日記

感想・メール

2007.12.06birth and love

 生命に対して湧く、止め処も無い無償の愛。人として最も美しい感情の一つを映像に焼き付けた映画の話。

 『ウエイトレス〜おいしい人生のつくりかた〜』は、天才的なパイ作りの才能を持つ主人公が、願わない妊娠から出産をするまでの物語。この主人公、駄目亭主の子供を妊娠してから小さな反乱を企てるのだが…。
 この映画、「夢を持って前向きに生きる時、人は強くなれるし自分らしく生きられる。」と感じさせてくれるのだが、同時に「人は、人の審美眼を持つ人に出会えた時、自分の最大の魅力を気付かせてくれる事がある。そしてそういう審美眼を持つ人は、あなたの周りに必ず一人はいる。」というところも凄く大事にしている映画だったと思う。人は一人で生きているのではない。あとは審美眼を持つ人との出会いを、大切にするだけ。青い鳥は近くにいる事があるものなのだ。

 『サラエボの花』は、大変重い内容。ボスニア内戦後、父親を亡くして一人で娘を育てる母。その娘の修学旅行の費用を捻出するのもなかなか容易ではない。戦死した殉教者の遺児は旅費を出さなくて良い筈なのだが、母はその証明をなかなか出さない。一方で母に「素敵な存在」と思しき男性も登場し、娘の想いは複雑になり、徐々に旅行の日が近づいてきて…。
 戦争の傷跡は無くなるものもある。町並みなどからは、時間とともに確実に傷跡が少なくなっていく。人も嘗て戦場となった場所に戻ってくる。しかしその人達が受けた心の傷は、必ずしも過去の傷跡にすらなってくれない事もあり…。

 2つの作品は舞台も、扱っているテーマも違う。違うようでいて、実は同じ「無償の愛」を描いていると分かる。後者のパンフレットの解説は秀逸。後者はPG12。

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2007.12.05flu?

 おとといの朝、咳が出た。秘密の漢方薬で治した…つもりだった。夜、悪寒がしたので体温を計ったら、何と38度!イエーイ!!
 と喜べる状況では勿論なく、洟が止まらなかったり喉にきたりといったいつもの風邪の症状も弱く、インフルエンザを心配した。かかりつけの医者も閉まっていたので、翌日に念の為調べてもらいに伺った。
「郡山ではまだ流行っていないから、大丈夫じゃないですか?」
と看護師の皆さんも励まして下さるのだが、発病まで何日かかるかお医者さんに聞いたところ、
「2〜3日でも症状が出ますよ。」
との事だったので、
「3日前まで東京に出張でした。」
と告げると、無事(?)インフルエンザかどうかを生まれて初めて調べてもらった。
 それはそれは長い紙縒りみたいなものが登場。
「ちょっと鼻の奥に刺激がありますからね。」
というお医者さんの言葉通り、長い紙縒りみたいなものが鼻の奥の奥に入ると、お医者さんの指先がくるくる動いて、紙縒りみたいなものが鼻の奥のあちこちを刺激した。敏感肌の私は、鼻を刺激されているのに何故か咳き込んでしまった。

 15分程別室で待っていると、結果が出た。
「AもBも反応は出ませんでした。陰性です。」

 実はインフルエンザの予防接種を先週受けたばかり。免疫が出来るまであと1週間強かかるので心配だったのだが、周りにインフルエンザを広げる可能性が低くなったのでちょっとほっとした。

 以上、インフルエンザかどうかを調べる為の検査の様子をレポートしてみました。皆さんはこういう体験をしないで済むように祈っております。うがい・手洗い、お忘れなく!

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2007.11.17enjoy music with your heart

 「音楽」とは何と素敵な言葉だろう。「音を楽しむ」。では音をどこで楽しむ?そう、心で楽しむ。だから耳が聞こえなくても音楽を楽しめる。勿論演奏して楽しんでも、聞いて楽しんでも、手話や詞や楽譜で楽しんでも構わない。体が思わず動くなら動かせば良い。涙が出るなら流せば良い。
 お隣、仙台で毎年こんな素晴らしい音楽祭が開かれているとは、今日まで知らなかった。その音楽祭とは「とっておきの音楽祭」。「障害のある人も無い人も音楽の力で、心も含めた全てのバリアを取っ払え!」という趣旨の下、200以上の「ミュージシャン」が参加して開かれているのだ。
 映画『オハイエ』は、その音楽祭を47台のカメラが追い200時間の映像から紡ぎだしたドキュメンタリー。筋ジストロフィーで肺活量の衰えを心配しながらも、実に器用に口の筋肉を動かして歌う人。右手首から先が無くても、主旋律を右手の先で奏でながらソロで見事にピアノを演奏する人。耳が聞こえないながら、手話指揮者の合図で音楽を体で表現するパフォーマンスなどなど、とにかく音楽を通して表現しようという人たちがいっぱい集まっている。
 そんな中、特に3人のミュージシャンにスポットを当てる。1人はダウン症の荒川知子さん。音楽一家に育った知子さんは、リコーダーの名手。こんなにリコーダーの音色って美しいのかと、自分の小中学校時代との大違いを振り返りながら聞き入ってしまう。お父さんが知子さんの音色を的確に評する場面があるが、なるほど知子さんにしか出せない魅力的な音色なのだ。
 1人はウイリアムズ症候群の障害のあるプロの笙の演奏家、YUUさん。雅楽以外の楽器ともセッションをこなすなど、笙の音色同様、YUUさんの幅の広さと奥行きの深さを感じさせる。この2人が一緒に演奏する場面が後半に出て来るのだが、2人の素晴らしさこそがまさに『アメージングストーリー』である。もう障害がある無いという括りがどうでも良くなってくる。
 その一方でluluさんは、脳性まひで出てしまう障害を音楽を通して克服していく。毎年パフォーマンスが進化するluluさんの姿は、「人間の限界なんて、誰が決められるものか!」と言わんばかりの、人間の強さと、人間の秘めた無限の可能性を実証してみせてくれる。

 最後の場面は、象徴的な映像だ。人間の根源的な喜びと出会いと絆を形にすると、この最後の場面のようになるのだろう。音楽祭の出演者もさる事ながら、見守る観客も温かい。

 尚「オハイエ」とは、「おはよう」と「イエー!」を合わせた言葉だそうだ。

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2007.11.16Welcome to …

 パンフレットを読むと、映画を見に行くのも積極的なストレス回避の行動の一つという。本当にそうなのだろうか?確かに家にこもるよりは積極的だ。でも本当は違う。映画館に向かう間も、映画を見ている間も、いつも今の自分を考えている。映画の中の人物と今の自分を比べて、後悔したり、こんな選択があるのかと思ったり、悩んだり笑ったり泣いたりして、また帰宅する間に自分を振り返る。そしてストレスが溜まる。現実から離れたくて映画館に向かうのだが、いつも現実と面と向かわされる。私にとって映画は身近な娯楽であり、癒しであり、自分が写しだされる鑑であり、従って諸刃の剣である。ストレス交換所である。ストレスを発散し、抱えてくる。
 いやいや、本当はやはり心の膿を吐き出してはいるのだ。ほかの人の人生を生きる間、確かに現実から離れられているのだ。なんて事を考えながら映画館に足を運ぶ自分が大丈夫か、と自問してみる。しかしながら、登場人物に照らして深く今の自分を考えてみるのも、登場人物から勇気をもらうのも、ただ人の人生を生きているだけではないからで、最後は巡り巡って自分の問題として返ってくる、そこが肝なのだ。ああ、うざい文章。

 彼らは異常なのか?私には異常の一言で切って捨てられなかった。なぜなら全員、自分の中にいる自分の一部だから。心が傷つけば食事が進まなくもなるし、逆にやけ食いもするし、自分を痛めつけたくなる事もあるし、現実から逃げたくもなるし、孤独に吐き気を催す事だってあるし…、でも多くの人はそれらの自分を選択しないだけ。選択肢から排除する心の強さがある時、人は「正常」な自分を選択できる。でも心が弱った時、人は…。

「あたしは…そして……」

 心の底から笑える時、それは心が元気な証拠なのだと教えてくれる映画だ。蒼井優さんの存在感、大竹しのぶさんや妻夫木聡さん、筒井真理子さん、馬渕英俚可さんのぶっとびぶり、宮藤官九郎さんの弱さと優しさ、内田有紀さんの強さが、どれも愛らしく素敵。

 答は分かっている。問題は、それを選択する強さ。
 迷っているあなた、「クワイエットルーム」に入ってみる?多くの人は内田有紀さん演じる明日香とともに、映画館を出る瞬間に今の自分から「退院」できると思う。

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2007.11.13final 4

(11日の続き、一部加筆しています。)
 尚志の仲村浩二監督は、例年にない郡山イレブンの変化に気付いていた。
「試合前の練習を、郡山イレブンはインターハイ予選以降から全員まとまってするようになったんですよ。」
 そして精神的なまとまりも感じていた。
「キャプテンの尾形くんが核なんでしょうね。郡山イレブンは皆、尾形くんと(エースストライカーの)平山くんを信用している。だから、そこからプラスアルファが出てきていると思います。」
 それは、今年の尚志イレブンが松浦和己キャプテンや「王様」内山俊彦選手の存在でまとまりを見せているのと、重なって見えるのだろう。そんな仲村監督は、江本監督と一緒にチームを指揮した経験がある。ユース年代の県選抜が東北で争うカメイカップで、2人は県選抜のコーチと監督という関係だった。
「江本先生の事は尊敬しています。パスで相手を崩すサッカーですし、どこにパスを出し、どの角度で崩すのかにこだわるマニアックさ、何より江本監督にしか出来ない分析力があるんです。対戦相手の監督となると、何をしてくるか分からないですよ。郡山高校が勝ってきたのは、その分析力があるからでしょう。私に分からない(尚志の)弱点を、江本監督は突いてくると思います。」
 この対戦を迎えるずっとずっと前から、仲村監督は「江本監督に教わるFWは良いですよ。あの江本さんにしか分からないツボを教わる事が出来ますから。」と仰っていたのを思い出す。
「今年のチームは、2年がかりで作ったチームという感じです。総合力では去年より上でしょう。今年の全日本ユース(クラブチームも交えた18歳以下の日本一を決める大会)で、(習志野高校時代の)恩師の本田監督率いる流通経済大学柏高校が日本一になりましたからね。今度は自分が続こうと思います。」
 そう決意を語った仲村監督は、起用する選手については「どうなるか分かりませんよ」と煙に巻いた。

 決勝当日、郡山の江本監督はJヴィレッジスタジアムの陽だまりのベンチに座っていた。
「いよいよ来ましたね?」
と尋ねると、
「ここにずっと座りたいって思ってたんだよね。」
と仰って、誰もいないピッチを眺めていた。前回決勝に上がってきた時は鏡石町の会場。Jヴィレッジスタジアムのベンチに座るのは、これが初めてだ。暫く談笑していると、別の高校の監督がやって来て江本監督の隣に座った。
「俺もここに座りたいなぁ、練習はしているんだけどな。」
と言うと、テクニカルエリアに飛び出して行ってガッツポーズを作ってみせた。なるほど、生徒がゴールを挙げた時の喜びの表現を見ると、既に監督は決勝に上がる準備が出来ているようだ。
 ベンチを離れる前に、江本監督は一言
「歴史は作るもの。」
と呟いて、ロッカールームに下がった。

 ユニホームの確認もピッチサイドで行った。尚志はエンジ、郡山はオレンジが正ユニホーム。このままでもいけそうだし、一応同系色と考えられなくもない。協議の結果、コイントスに。尚志が正ユニホームをとったが、GKだけは副のユニホームに。仲村監督、「コイントスに勝ったのに…。」江本監督、「サブのユニホームか…。」お互いに思い入れが強いのだ。

 蓋を開けてみれば、スターティングメンバーはこれまでと特別に変わっていなかった。
 両監督がこだわったのは、先制点。尚志・仲村監督「前半5分で1点、いや2点取って来い。」、郡山・江本監督「敵は自分。走って走って走り回って来い。」とイレブンに檄をとばした。その先制点を巡って、決勝戦は開始直後から熱い攻防が繰り広げられた。
(つづく)

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アナウンサープロフィール

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