アナウンス室インデックス

[2007] < 2008年01月 > [2009]

1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
2008年
1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月
2007年
1月 2月 3月 4月 5月 6月
7月 8月 9月 10月 11月 12月

新着日記

お役立ちウェブサイト

ぐるっと郡山×満ぷくナビ


福島ドクターズ


調べものなら「ちょっと便利帳」


◆中テレくんのお友達
中テレくんのお友達

アナウンス室 プロフィール

とくみつ まさひで

徳光 雅英

プロフィール

1  2  3  4  5  6  7  次のページ

写真をクリックすると拡大します。

12 jurymen


 きょうは番組編成の関係で、『ゴジてれChu!』は第2部からのスタート。いつもは正午の打合せに始まり、ヘアメイクや頂いたメール・ファクスのチェックやリハーサルや準備などで一気に本番になだれこんでしまうのだが、きょうの午後は少し余裕がある。

 という事で、久しぶりにブログを更新してみた。先日面白くて、でもちょっと考えさせられる映画を見たからである。

 『12人の怒れる男』。半世紀前にアメリカで制作された方はまだ見ていない。私が見たのは、時代設定を冬の現在のロシアに置き換えた作品の方である。
 12人の陪審員が、ほぼ有罪で確定しそうな裁判の評決を出す事になった。案件は養父殺し。外と連絡が取れないよう携帯電話を取り上げられ、一つの部屋の中で評決を下す事を求められる。全会一致が条件。すぐに「有罪」との評決が下されるかと思いきや…、有罪である事を徹底して確かめようとすればするほど、疑問、陪審員の常識、偏見、過去がぶつかり、炙り出され、冬のロシアの一室が熱くなる。
 この映画を見ると今のロシアが垣間見え、同時に自分がロシアの現状について無知である事を認識させられる。被告がチェチェン人という事で、チェチェン紛争という歴史的事実を背景に様々な事情が複雑に絡みあって、12人の怒りは益々深くなる。本当は事件と向き合っている筈なのに、いつの間にか人間という存在、自分そのものと向き合わざるを得ない状況になる。そして怒りの方向は…
 「これで全会一致か」と観客の誰もが思う瞬間、再び「これで良いのか?」という疑問が提示され…まるで映画館に座っている自分も陪審員と一緒の部屋に閉じ込められているような感覚になり、最後まで緊張の解けない映画だ。
 人の罪を裁くという事は、有罪であれ無罪であれ、法と社会と自分とに向き合う事なのだ。いや、法と被告とに向きあう事が、社会や自分と向き合う事を求めるものなのかも知れない。私は裁判員の候補にはならなかった。しかし裁判員になるという事はこれほど重いものなのか。でもこの重圧を支えてはじめて、法治国家は成り立つのだ。

dramatic


 全国高校サッカー選手権福島県大会決勝は、文字通り「劇的」な試合内容だった。

富岡2−1福島東
(富岡は創部3年目で初優勝)

 Jヴィレッジスタジアムに先に入ったのは、「伝統」の福島東だった。「決勝前の気分は如何ですか?」との問いに、鈴木監督は
「良いですね。」
と目元を少し緩めて話すと、
「きょうは生徒会が働いてくれて、バス12台550人の生徒が応援に来てくれるそうです。きょうの予定だった模擬試験も延期して、あさってになりました。」
と決勝の舞台に立てる喜びを噛み締めていらっしゃるようだった。
 一方の「エリート」富岡の佐藤監督は、「決勝前の気分は如何ですか?」と同じく尋ねると、
「良いピッチでプレーさせてもらえますね。いやぁ、私が緊張していますよ。」
とこちらは、決勝の舞台に監督が一番硬くなっているようにお見受けした。

 試合直前、観客席は全国ベスト8の時以来、クリーンで統率がとれて気持ちが一つにまとまっているのが伝わってくる福島東高校の応援席と、夜の森など桜が有名な事から桜色のメガホンを使い、「Blossom」と胸に刺繍の入ったチアリーダーもいる富岡高校応援席の大声援が響く。実況席のあるホームスタンドは真正面でその応援を聞くと、しびれるくらいの感動を覚える。「これが決勝だなぁ…。」と一瞬感慨に浸る。

 試合は序盤福島東が中盤のプレッシャーを速くして、ゴールチャンスを幾つか作る。一方の富岡は、徐々にそのプレッシャーをかいくぐりながら正確なパスを回し始め、反撃を始める。そして前半36分、富岡は穴沢雄太選手のクロスボールに、鈴木文健選手が得意の胸トラップからアウトサイドでシュート。これがGKを交わしてゴール右隅に決まり、富岡が先制する。

 後半も富岡が堅い守りと正確なパスワークなどで試合を優位に進め、福島東はDFやボランチで富岡のチャンスを潰しながら、反撃の機会を待つ。
 そして劇的な展開が待っていた。試合が終盤に入ってもイレブンに「落ち着け」と両手を下に広げる福島東の鈴木監督。そのままロスタイムに入り、福島東はフリーキックという千載一遇のチャンス。ここで長谷川忠彦選手のボールが浅間聖也選手のヘッドでコースを変え、GKの反応とは逆の方向に。これが決まって同点。記憶では確かロスタイムの2分の内、1分ほど経過していた筈。しかも富岡にとって今大会初失点。殆どの人が、これで延長かと思ったと思う。
 しかし交代の4枚のカードを全て切っていて「80分で試合を終える」という富岡・佐藤監督のメッセージを、ピッチのイレブンは分かっていた。福島東イレブンの隙を突くように、富岡が早いリスタートからスローインを得、そこから富岡は鈴木文健選手がシュートまで持って行くが、福島東のGKが止める…が弾く、そこに詰めていた途中出場の大槻英希選手がこぼれ球をシュート。勝ち越しゴールを奪う。

 試合終了。ロスタイム2分に、同点弾と決勝弾。まさに劇的。記憶に残る決勝戦となった。個人的には、12年前の郡山商業対福島東戦(この試合は、郡山商業が4−0とリードしながら、4−1、5−1、5−4にまで福島東が追い上げる壮絶な試合だった)や10年前の平工業対磐城戦(平工業が後半30分まで0−2だったのを残り9分で3点を入れた大逆転劇)に並ぶ、名勝負だったと思う。
 試合終了のホイッスル直後、黄色いユニホームが全員前のめりに崩れた。青のユニホームは安堵や喜びの抱擁で重なっては離れ、重なっては離れた。
 解説の齊藤勝氏(福島東をベスト8に導いた時の監督)は、「同点の時に福島東の足が止まっちゃったんですよね。そこを富岡は逃さなかったですね。」と振り返った。ふとこの試合展開、思い出すものがあった。今から5年前の天皇杯県予選決勝、初めて福島東が高校生年代のチームとして決勝に進出した試合で注目された。雨の中、後半終了間際に福島東が同点に追いついたのだが直後、喜びに沸く福島東イレブンが速攻を食らう。当時の齊藤監督が必死に「戻れ戻れ」の合図をしているがイレブンに伝わらない。フリーキックから勝ち越しゴールを許し試合終了。福島県から初の高校生チーム天皇杯出場(当時)はならなかった。ちょっと似ている…監督も選手も違うのだが、そう思った。
 試合終了後、富岡の橋本部長に「同点に追いつかれた時は、ヒヤッとしましたね?」と尋ねたが、「いや、あと(延長前後半の)20分があるなと思いました。」と、冷静に試合を見て入らした様子。佐藤監督には「4枚の交代カードを切っちゃっていましたよね?」と伺うと、「でも代わった選手(大槻選手)が決めてくれましたから。代えて良かったですよ。」ただほんの少し嬉しい誤算があったようだ。「大槻選手を投入した時点では、守備の強化が理由だったんです。でも同点に追いつかれた後、攻撃にちゃんと加わってくれましたよね。あの姿勢が良かったと思います。」
 その佐藤監督は、表彰式後も生徒が残っていた富岡応援席の前に「こうはちコール(監督のお名前)」の中進み、イレブンに2回胴上げされ…キャッチされた後、落とされていた。
 「エリート、エリートと言われますが、最初は皆プライドの高い部分がありました。確かに中学時代は選抜チームとして活躍した選手が集まりましたけど、高校のスピードにはついていけない。だから勝てない。そうやって走り込みをしたり練習を重ねたりして、彼らは成長していったんです。」
 「エリート」を集めたのだから勝って当然、どうして勝てない?という周囲の視線との戦いにも、創部3年目の今年、富岡はついに勝利した。

 富岡には、ジュビロ磐田入りが決まっている本田慎之介選手がいる。創部3年目で県代表、Jリーガー輩出、公立ながら校庭は人工芝…と話題性は豊富だ。これを機に、福島県の高校サッカーも、富岡高校サッカー部も注目されると好いと思う。選手もその注目に応えるプレーをしてくれると思う。
 福島東は、この大会で1試合ごとに成長した。1試合ごとに変われるのがユース世代の可能性であり、楽しみである。今年度の選手権の戦いぶりを見て、この黄色いユニホームに憧れて文武両道で練習したいという後輩がたくさん集まるだろう。
 大変感動的な80分を過ごさせてもらった。

semi-final


 きょうは全国高校サッカー選手権県大会の準決勝。

第1試合
福島東1−0会津工業

 今年から会津工業に赴任した江本監督は、昨年度準優勝の郡山を率いていた方だ。江本監督は昨年度、選手権大会途中から起用する選手を代えるなど「サプライズ」が見事にはまってチームを準優勝にまで導いた。いや、一つシュートが決まっていれば、優勝していてもおかしくなかった。選手起用と戦略に長けた名将である。その「サプライズ」を起こす前、江本監督は試合前に私と目が合うと「にやり」と笑みがこぼれた。「やりますよ。」という訳だ。
 そしてきょうの準決勝直前、練習ピッチから試合のピッチに移動する時間だけが取材可能な時間。江本監督に話しかけると、保護者などと握手をしながらまたも「にやり」。
「えっ!今年もあるんですか?」
「ふふふ、(他には)言わないでよ。」
と言って、システムの変更をこっそり教えてくださった。
 準々決勝までとは全く違うシステム。それは福島東が強豪故の対策だった。

 会津工業の昨年度までの監督、鈴木氏は、今年から部長になった。2人で話し合った末に、今年度から江本「監督」体制を作る事にした。赴任1年目の指導者は、コーチや部長という立場から選手をじっくり見て2年目以降に監督になる場合が多いのだが、そういう意味では少ないケースだろう。
 その鈴木部長が先週の準々決勝のあと、仕事の関係で数日ぶりに練習に顔を出すと、江本監督からきょうの新システムが披露されたそうだ。
「明らかにこっちの方が良い。」
 鈴木部長はそう思ったと言う。

 試合が始まり、案の定はまった。前半は会津工業のペースの時間が多い。シュートの数も会津工業が上回った。ただ福島東は少ないチャンスを確実に攻めきり、シュートは打てないもののコーナーキックを何度も勝ち取った。
 両チーム無得点で前半を折り返すと、後半は福島東が息を吹き返した。パスのスピード、出足、判断が早くなり、会津工業が後手を踏む場面が多くなった。それぞれに決定的な場面があるが、最後は福島東の兼子大次郎選手、会津工業の田崎文啓選手がゴールを死守し、後半も0−0。試合はVゴール方式ではない延長戦に入った。
 試合は意外なところで動いた。延長前半2分、会津工業のディフェンスラインの後ろに流れてきたボールがゴール右に吸い込まれる。オウンゴールだった。そしてこれが決勝点となった。

 試合後、福島東の鈴木監督は
「得点が取れないチームらしい勝ち方ですよね、オウンゴールでしたから。」
と謙遜を含めて記者達を笑わせた。ハーフタイムに一歩目の差を指摘した事で、試合内容が好転した事を明かしてくださった。3年生選手は明日、学内模試が待っているそうだ。進学校らしい話だが
「模試も3年生にとってはサッカー同様、大事なものですから。」
と涼しい顔。萬代宏樹選手(現ジュビロ磐田)を生み、福島県勢として19年ぶりのベスト8などの記録を作った福島東「名門復活」のプレッシャーもあったかと思うのだが、
「これまでは齊藤前監督がきちっと体制を作って下さっていて、その後は結果が出せなかったので、この1週間やれる事をやって決勝に臨みます。」
と決意を語った。
「(赴任して)3年目ですものね?」
と尋ねると
「そうですね、1年の時から選手を見てきましたから。」
と目を細めた。鈴木監督は、かつて福島高校監督時代に夏の全国高校総体に出場した事はあるが、選手権はまだ無い。鈴木監督にとっての初の選手権、そして「名門復活」に王手をかけた。

 試合後、会津工業の江本監督は
「前半は思っていた通りだったんですけどねぇ…」
と、シュートが多かった前半にリードできなかったのを悔やんだ。
「それにしても、オウンゴールなんて…。でもこれが選手権ですね。」
と話した後、
「今のイレブンが、ベスト4を経験できたのは良かった。ご存知の通り、ベスト8と4では試合の雰囲気が違うし、ベスト4と決勝ではもっと違う。この違いを経験する事が大事だし、今の1・2年生にとっては来年につながると思います。」
と、大舞台を知る指導者ならではの「収穫」を話してくださった。会津工業に赴任した当初は、選手の持つ潜在能力に驚いたという江本監督。来年度以降も会津から旋風を巻き起こしそうだ。


第2試合
富岡0−0(PK4−1)福島工業

 福島工業高校は、県・東北ともに新人戦を制し、東北選手権では青森山田に2−0で完封、Fリーグ(福島県内の18歳以下のチームのリーグ戦。優勝すればプリンスリーグ東北の県代表の挑戦権が得られる)でも7試合無失点など実力あるチームだが、正直この選手権の県大会は苦戦が続いている。
「でも苦しんでも勝ち上がっているのが、うちの強みでもありますから。」
 試合前にそう話してくださったのは、選手権を勝ち抜く苦しさを知る木村部長である。嘗て監督として福島工業を選手権に導いた方でもある。
 しかも高校生の楽しみの一つ、文化祭がきょうと明日行われていて、きのうの一般公開前日には仮装行列も行われた。勿論、福島工業イレブンはそれどころではない。
「仮装行列に出られなかった分、それ以上のパフォーマンスを選手はピッチで出してくれるでしょう!」
と笑顔を見せた。

 対戦相手は、中学時代の県選抜クラスの選手が大量に進学する富岡。福島県サッカー協会の支援の下におととしサッカー部が作られ、創部3年目の今年、夏は県準優勝、そして初めて出場した東北選手権で初優勝を果たしたが、全国大会は経験が無い。最後のチャンスの選手権で、初の県チャンピオン、そして初の全国大会出場を狙うチームである。
 その富岡に前半は優位に試合を進められるのだが、0−0で折り返した後半は福島工業が個々の速さを生かして形勢逆転。特に1対1の場面を作ると、数的不利を作られる前に突破するなどして富岡を苦しめる。しかしこの試合もまた、得点が入らない。
 そして試合はPK戦にもつれ込み、熱戦の末、福島工業は富岡の前に涙を飲んだ。
 富岡の佐藤監督は、後半に福島工業が試合の流れを掴む時間が多かった事について、
「うちがどうこうより、福島工業の方が良かったって事だと思います。」
と語った。幾つかの反省点があったようだが、最後に「集大成ですね?」と尋ねると
「そうですね。ただ、この3年間で教えた事が全て出てくれればそれで良いです。」
と笑顔で答えた。

 いよいよ来週土曜日が決勝戦。優勝するのは、4年ぶり5度目の選手権出場、そして「名門復活」を目指す福島東か?それとも創部3年目にして選手権初出場、歴代11校目の福島県代表を狙う「エリート」富岡か?
 赴任3年目の指導者同士の対決というのも興味深い。福島東・鈴木監督、富岡・佐藤監督とも今の3年生が1年生の時から指導をしてきた愛弟子たちが、Jヴィレッジスタジアムで激突する。決勝戦は、FCTで生中継。

soccer tournament


 高校サッカーの試合会場に久しぶりに出向いた。きょうは、高校サッカー中継の為の取材。どんなシステムで、どんな選手がいて、どんな特徴があるのかなど、素人なりに気がついた事を書き出して、実況やリポートをするアナウンサーに伝えるのだ。
 で、(出せる範囲での)私の観戦記。

全国高校サッカー選手権福島県大会5回戦
会津工業3−0勿来工業

 きょうからシード校が登場し、初戦となる。会津工業は第4シード。
 立ち上がりは両チームとも速さを武器にして相手ゴールを攻める。しかし会津工業はどうも守備のバランスが宜しくないようで、江本監督から再三再四ポジショニングを修正するよう指示が出る。そんな中勿来工業も175cmFWの千葉智貴選手をポストプレーヤーとして縦の速さを生かして攻めるが、どうしてもペナルティエリアの中で思うような仕事をさせてもらえない。そうするとこぼれた球からミドルシュートを狙う形になるが、ゴールネットを揺らせない。この辺りは、会津工業の特徴の「堅守」が出る。
 対する会津工業は攻守の切り替えを速くして、勿来工業の守備が整わない内に攻撃しようという意図が見える。そして前半38分、木村博史選手からのパスをもらった松本理基選手がドリブルでディフェンスを交わして鈴木恭真選手にパス、鈴木選手がシュートを決め、会津工業が先制する。
 1−0で折り返した後半開始2分、会津工業の鈴木選手がゴール近くでディフェンスに囲まれるが、その厳しい状況から石綿佑選手にパスを出し、石綿選手がシュート。貴重な追加点を挙げる。
 2点を追う勿来工業も、前を向いた時の速さを武器にサイドから攻撃を仕掛け、木村昴斗選手のクロスボールに荒井優輝選手がどんぴしゃで頭から飛び込むが、キーパーに守られる。逆に会津工業に後半37分、鈴木選手にドリブルからシュートを決められ、万事休す。前後半の開始・終了前後の3分以内に得点する会津工業の強かさが、勿来工業を上回った。

 勝った会津工業の江本監督は、DFのポジショニングを課題の一つに挙げつつも「でも初戦なので、とにかく皆ガチガチだった。その中で勝てて好かった。」と安堵の表情を見せた。
 敗れた勿来工業の佐原監督は、OB監督。「会津工業の方が、攻撃の際に攻め切れていた。やはり良いチームでした。」と相手を讃えた後、「立ち上がりから攻められるのは想定内だった。でも前半0−0で折り返していたら、分からなかった。前半に得点チャンスはあったのだが…」と、嫌な時間帯での失点を悔やんでいた。

 勿来工業は、夏の県大会で敗れてから5人の3年生が選手権の為にチームに残った。GKで主将の内山歩選手、CBの丸山拓人選手、ボランチで10番を背負う大竹篤選手、FWでエースの千葉選手(実は会津工業の江本監督も試合前の指示で、「千葉選手がキーマン。ここから出るボールに気をつけろ」とイレブンに伝えていた)、そして控えGKの沢田真樹選手だ。佐原監督は「夏以降チームが作りやすかったのは、GK、CB、ボランチ、FWと、中央の軸の3年生が残ってくれた事です。これは助かりました。」と振り返った。3年生にこの後どんな言葉をかけますか、との問いには「残ってくれた5人の3年生には、感謝感謝です。」と話し、泣き崩れる1・2年生イレブンを見ながら「これまでの勿来工業はトーナメントに弱い部分があったが、今大会はきっちり5回戦まで進めた。リーグ戦(県内で行われている18歳以下のリーグ戦「Fリーグ」を指す)でも勝利数は増えたし、泣いている1・2年生がこの悔しさを忘れなければ、次につながると思います。」と締め括った。
 試合終了後、勿来工業イレブンは涙に暮れながら会津工業ベンチに挨拶に行ったが、その際千葉選手は「ほら、俺達の分まで頑張ってもらう為にしっかり挨拶すっぞ!」と自ら声を震わせながら呼びかけ、全員で「有難うございました。」と頭を下げた後には一人「頑張ってください!」と会津工業にエールを送っていた。スポーツマンシップを感じる光景だった。


平工業3−0郡山北工業

 名門同士の試合は、楔を使いながら強靭なFWとサイドを使った攻撃を狙う郡山北工業と、タッチ数の少ないパスを織り交ぜながら縦への速さで突破を図る平工業という図式。試合が動いたのは、前半14分。ボールを持つ平工業の鈴木文也選手の前に、郡山北工業のDFの壁が素早く出来るのだが、その足元の隙間を縫うような、鈴木選手のグラウンダーのシュートがゴール右隅を突き刺す!先制は、平工業だった。
 1−0で折り返した後半開始30秒、平工業はFKのチャンスを得る。左サイドから古長晃選手がゴール前に上げたボールを、政井章宏選手が右足でトラップすると左足に持ち替えてシュート!!これが郡山北工業ディフェンスの意表を突き、貴重な追加点を挙げる。
 更に後半22分には、コーナーキックを渡邊翔平選手がぴたりと合わせてゴール。3−0と、勝利をぐいっと引き寄せた。
 対する郡山北工業も前線で次々と勝負を仕掛け、佐藤建太選手が前線で体を張ってボールを死守したところから佐藤進哉選手がライナー性のミドルシュートを放ったり、DFの石橋遼太選手がチャンスに上がってシュートを打ったりするが、どうしても平工業ゴールを割れない。
 郡山北工業は最後まで諦めずに戦ったが、平工業の堅牢な守りの前に屈した。

 平工業の田野入監督は、「郡山北工業の特長を消せたのが良かった。でも不要なパスが幾つかあった。」と反省点を挙げた。だが田野入監督が赴任して3年目、能力の高い3年生は赴任1年目から育ててきたまさに「田野入『魂』」を持つ選手達。名門復活に向けて着実に歩みを進めている印象だ。


 ではそのほかの結果。
  尚志2−1安積
  福島東4−1郡山
  福島工業2−1小高工業
  郡山商業2−0相馬
  富岡2−0聖光学院
  湯本2−0昌平

 3連覇を狙う夏の覇者、尚志(第1シード)は、これが選手権の初戦。延長で逃げ切った。これが初戦の難しさか、いずれにしても安積の健闘が光った。
 一方で去年の準優勝の雪辱を誓った郡山は、福島東に1−4で敗れてベスト8に残れず。嘗て黄金期を誇った相馬・郡山商業対決は、郡山商業が完封勝ち。シード校の福島工業・富岡が勝利し、4つのシード校はいずれもベスト8進出を決めた。強豪の湯本も、選手権に強い昌平を下し、3年ぶりの国立を虎視眈々と狙う。
 準々決勝は、今度の土曜日。入場無料。

the reason they shout


 お菓子で出来た家って、どんな家なのだろう?チョコレートはあるのか、クラッカーは手の届く所に使われているのか、どんな色でどんな大きさで、玄関の取っ手は何で出来ていて、土足で入って良いのかどうか…と、童話は想像を膨らませてくれる。
 そんな世界を映像にした映画を見た。
 患者の前で煙草をぷかぷか吸う医者のいる病院には、何とも個性的な患者と、その個性に負けない看護師が勤めている。患者の一人、自分を中心に物事は回っていると考えている「くそじじい」大貫は、或る日これまた患者の少女と出会って話が進んでいく。
 役所広司さん演じる大貫が本当にくそじじいなのだが、そのくそじじいがパコに出会って色々な事に気付いていく過程が泣けるのだ。怒髪天を突くような髪をしたくそじじいが生まれて初めて「或る事」をする場面と、髪型に似つかわしくない表情を見せる場面が特に泣ける。
 そして登場人物のそれぞれの設定にきちんと理由があって、全て辻褄が合いながら話が結ばれるのも心地よい。阿部サダヲさん演じる語り部堀米も、何故語り部であり、何故登場し続けるのかが最後まで見るときちんと納得がいく。
 この阿部さんの語り部兼登場人物は、はまり役。テンションを上げて物語に誘い込むと、登場する度に一回以上笑わせてくれる(でも二十代以下の人に「人間なんて…」の部分は解ってもらえるのかしら?私は勿論爆笑させてもらいましたが)。
 登場する患者や看護師は、殆どがいつも叫んで会話をしている。それがこの映画で凄く馴染むのは、その内容の是非は兎も角としてその瞬間瞬間の本音、詰まり「心の叫び」だからだろう。他人を気遣っているとは限らないので周囲と衝突したり相手を傷つけたりするのだが、この映画の登場人物に貫かれている唯一の鉄則は権謀術数を巡らすような事が決して無い事。それがこの映画を御伽噺であり、童話であり、ファンタジーたらしめている。そう言えば叫ばないのは、少女と医者だけだ。上川隆也演じる医者は、患者の心の処方箋となる言葉だけを選んでいく。それもまた瞬間瞬間の本音ではある。
 少女演じるアヤカ・ウイルソンさんと、看護師タマ子演じる土屋アンナさんのインタビュー記事が秀逸な点で、パンフレットはお買い得と見る。ハンカチ必携、大きな銀幕で、誰にも邪魔されず中断されずに楽しみたいお話である。

(それにしても、ご無沙汰していました。久しぶりに日記を書く時間が出来ました♪)

1  2  3  4  5  6  7  次のページ